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SDIとは

» 2011年07月15日 00時00分 公開
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SDIとは

 SDI (Serial Digital Interface)とは、主に業務用映像機器で使われている高速シリアル・インターフェース規格のこと。非圧縮のデジタル映像信号とデジタル音声信号を、1本の同軸ケーブルで送ることができる。同軸ケーブルの特性インピーダンスは75Ω。BNCコネクタを使う。アナログ映像信号の伝送に使っていた既存のインフラをそのまま利用できる点が特徴だ。

 これまでSDIのアプリケーションと言えば、テレビ局やテレビ中継現場、劇場などで使われる業務用映像機器が圧倒的に多かった。しかし、最近では適用用途が広がっている。例えば、セキュリティ機器や医療用電子機器、デジタル・サイネージ、テレビ会議システム、シアター(映画館)などである。

SDI規格は大きく3つある

 SDI規格を策定したのは、全米映画テレビジョン技術者協会(SMPTE:Society of Motion Picture and Television Engineers)である。ただし、一口にSDIと言っても、さまざまな規格がある。大きく3つに分けられる。1つは、SDTV(Standard Definition TV)に向けた「SMPTE259M/344M」。2つめは、HDTV(Hi-Definition TV)に向けた「SMPTE292M」。3つめは、プログレッシブHDTV(3G)に向けた「SMPTE424M」である。

図1 図1 SDI規格で定められた信号波形
SDI規格では、信号振幅のほかに、信号の立ち上がり時間や立ち下がり時間、オーバーシュートやアンダーシュートの許容値、DCオフセットの許容値などを規定している。

 これらの3つの規格は、いずれも物理層に相当する。この上位層に当たる規格で、SDTVのNTSCコンポジット・ビデオやコンポーネント・ビデオ、ワイド・フォーマット(横長)・ビデオといった各種放送方式や、HDTVの720p(1280×720画素)や1080i(1920×1080画素)といった各種解像度に対応している。

 データ伝送速度は、SDTV向け規格が270Mビット/秒、もしくは540Mビット/秒。HDTV向け規格は1.485Gビット/秒、もしくは1.4835Gビット/秒。3G向け規格は2.97Gビット/秒、もしくは2.967Gビット/秒である。伝送方式はシングルエンド方式。差動方式ではない。信号振幅は800mV(図1)。スクランブルドNRZI方式でエンコード/デコードを実行しており、交流(AC)結合で映像機器の間を接続する。

伝送距離は3G対応信号で200m

 SDI規格に対応した伝送システムの構成に必要な半導体チップは大きく分けると5つある。具体的には、アダプティブ・ケーブル・イコライザとリクロッカ、ケーブル・ドライバ、シリアライザ、デシリアライザである。米ナショナル セミコンダクター社では、SDTV(SMPTE259M/344M)とHDTV(SMPTE292M) 、3G(MSPTE424M) の各規格に向けたチップセットを用意している。例えば、3G規格に向けたチップセットは、アダプティブ・ケーブル・イコライザ「LMH0394」と、リクロッカ「LMH0346」、ケーブル・ドライバ「LMH0303」、シリアライザ「LMH0340」、デシリアライザ「LMH0341」から構成されている。

 このチップセットは後方互換性を備えており、3G規格のほか、HDTV規格とSDTV規格にも対応する。伝送距離は、3G対応信号の場合に最大200m、HDTV対応信号の場合に最大220m、SDTV対応信号の場合に最大400mである。


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アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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