コラム
» 2008年03月01日 00時00分 UPDATE

Signal Integrity:親戚からの修理依頼にはご用心

[Howard Johnson,EDN]

 例えば、親戚の結婚披露宴で年老いた叔母さんから遠慮がちにこんな具合に話しかけられたとしよう。

 「あなたはコンピュータに詳しいのでしょう? わが家には随分前に買った8トラックのテープレコーダがあるのだけれど、最近うまく動かないのよ。ちょっと診てもらえないかしら?」

 テープレコーダではなく、白黒テレビやレコードプレーヤといった機器であるかもしれないが、このようなケースでは、読者が普段扱っているのは最新のデジタルハイテク製品であり、修理を頼まれた旧式の機器とはどれほど違うものなのかを説明しなければならなくなる。「修理などできない」、あるいは「したくもない」というのが本音だろうが、「あなたが頼りなのよ」と頼み込まれれば、むげに断るわけにもいかない。では、どうすればよいのか。今回は、このようなケースに適用できる鉄則を伝授しよう。

【鉄則1】依頼者の家ではなく、自宅で修理を行う

 その心は、依頼者にせかされることなく、落ち着いた状況で作業できるようにすることだ。つまり、十分に時間をとれる状況を作るのである。

【鉄則2】機器を分解する際には、筐体を壊さないようにする

 特に、一体型のプラスチック筐体は分解が難しいので注意したい。万が一のために、瞬間接着剤を用意しておくとよいだろう。それも劣化していないものであることが重要だ。筆者はこのようなときのために、常に瞬間接着剤を冷蔵庫に保管している。

【鉄則3】部品をなくさない

 部品をなくさないようにするために、分解作業を始める前に、必ず床を清掃しておこう。筆者の場合、分解作業は表面が白い机の上で行う。また、ネジについては、どこに使われていたのかすべてメモを残しつつ、机の上にテープ止めして保管するようにしている。

【鉄則4】デジタルカメラで写真を撮っておく

 分解前の写真を残しておくと、再度組み立てを行う際、大いに役立つ。

【鉄則5】テストは1度に1カ所ずつ、小さな部分から始める

 機器のテストを行うには、各部の動作をチェックするための信号源と出力を観測するための測定器が必要となる。例えば、オーディオ製品のテストであれば、筆者は信号源として小型の音声レコーダを、測定器としては高感度のヘッドホン(場合によってはプリアンプも)を使用する。

【鉄則6】ネット情報などを活用する

 修理の対象としている製品が以前に広く使われていたものであれば、ネット上で回路図を入手できる可能性がある。この鉄則に伴い、「修理期限は約束しない」ということも重要になる。回路図や資料など、修理に役立つ情報を入手するには時間を要するものだ。

【鉄則7】代替品の調達も考える

 例えば、ネットオークションサイトの「eBay」などにアクセスし、代替品を調達するのも1つの手だ。ただし、これは代替品を依頼主に渡すためではない。おそらく、依頼主は機器に付いた小さな傷の場所の違いなどから、その代替品が自分が依頼したのとは別モノであることに気付くに違いない。

 入手した代替品は、テスト用の基準として使用し、故障品との違いを細かくチェックするのに用いる。また、代替品の部品は交換用の部品として利用できる。修理が完了したら、その代替品は捨ててしまえばよい。金銭的/倫理的には問題もあろうが、そもそも修理を請け負うことを生業にしようというのではない。頼れる親類として面目を保つことが一番の目的なのだ。

【鉄則8】旧式のトランジスタ機器の場合、伝導性のゴミやコネクタの腐食、電源の故障を疑う

 機器を床に落としたとか、水がかかったといったことがなければ、これらが不具合の原因であることが多い。従って、スプレーでゴミを飛ばす、クリーナを使用して基板を掃除する、すべてのコネクタを磨く、電源をチェックするといった手法が有効だ。こうしたことで問題の90%は解決できるだろう。残りの10%は、モーターベルトやレコード針の交換で解決することが多い。

【鉄則9】電源が疑わしいなら、正常な外部電源で動作させてみる

 プリント回路基板をモニターしても正常な電圧が印加されていない場合には、外部電源からの電圧をプリント基板上に印加してみよう。その際の電圧値は、バイパスコンデンサの定格電圧の60〜80%に設定するとよい。旧式のコンデンサは古くなると動作が不安定になることがある。故障を予防するために、すべてのバイパスコンデンサを交換するといったことも行われる。

【鉄則10】修理の費用は受け取らない

 そのようなことをしたら、それからもずっと親類からの修理を引き受けるハメになる。修理代の代わりとしては、叔母さんの得意料理をご馳走になるくらいがちょうどよい。

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