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レーザーダイオードの保護用クランプ回路Design Ideas

» 2008年09月01日 00時00分 公開
[James Zannis(フランス),EDN]

図1 レーザーダイオードの標準的な保護回路 図1 レーザーダイオードの標準的な保護回路 レーザーダイオードが低出力タイプのものであれば保護回路として有効だが、高出力タイプのものに対しては不十分である。

 レーザーダイオードは、電圧や電流の高速な過渡変動に対する耐性が低いという問題を抱えている。そのため、保護回路によって破損のリスクを最小限に抑えることが必要になる。図1に示すのは、JFET(junction field effect transistor)を使用して構成した標準的な保護回路である。この回路(クランプ回路)では、図の−12Vの電圧が印加されていないときにはJFETであるQ1がレーザーダイオードを短絡し、過渡的な異常電圧の印加による破壊を防止する。−12Vの電圧が印加されるとJFETに電流が流れなくなり、レーザーダイオードが動作する。このようなクランプ回路は低出力タイプのレーザーダイオードの保護回路としては有効だが、電流が150mAを超えるような高出力のレーザーダイオード用のものとしては十分ではない。これは、JFETのカットオフ時の電流許容値が制約となるためで、高出力のレーザーダイオードの正常動作時に急なクランプ動作が必要になると、JFETの電流シャント能力が不足することになるのである。大電流タイプのJFETを使用する方法も考えられるが、その種の製品は高価であり、入手も容易ではない。

図2 改善した保護回路 図2 改善した保護回路 図1の回路にバイポーラトランジスタを追加することにより、高出力タイプのレーザーダイオードの保護が可能になる。

 本稿で紹介するのは、こうした問題を回避する回路である。図2の回路は、図1のJFETを用いた標準的なクランプ回路にバイポーラトランジスタQ2を追加した形となっている。このQ2はJFETであるQ1がオンした際、電流の大半をバイパスするように働く。抵抗R2はQ1のゲートがフローティングになるのを防ぐためのもので、抵抗R3はQ2がオンする速度を速める。ダイオード「1N914」は、正の過渡電圧をバイパスする役割を果たす。

 この回路には、R1、C1で構成された回路により応答が適度に遅くなり、レーザーダイオードの動作のオン/オフ切り替えが滑らかになるというメリットもある。

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