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容量センサー用の小型インターフェース回路Design Ideas

» 2008年11月01日 00時00分 公開
[Jiaqi Shen,Xiaoshu Cai(上海科学技術大学),EDN]

 多くの場合、容量センサーを用いた計測回路では、そのフロントエンド(インターフェース)部は狭いところに取り付けられるよう十分に小さくなければならない。図1の回路は、この要求に応える高精度容量センサー用インターフェース回路である。ワンショットマルチバイブレータIC2A、ICSB「SN74LV221AD」は、低電圧用のタイマーIC1「TLC555ID」からの連続した矩形波出力で起動し、それぞれ出力周期がT1とT2の安定したパルスを発生する。これらの出力周期は、IC2A、ICSBに外付けする容量の値に比例する(以下参照)。


図1 容量センサー用のインターフェース回路 図1 容量センサー用のインターフェース回路 この回路は非常にコンパクトであり、値を検出したい部分に容易に取り付けることができる。

 ここで、CSは容量センサーの静電容量の値である。Kは比例定数であり、容量値の合計が100pF以上であるなら、容量値にはほぼ依存しなくなる*1)。そのため、IC2A側では、CSに並列に150pFの容量C1を並列に接続することで、CSの値が小さい場合でも特性がリニアな範囲で利用できるようにしているのである。また、ICSB側にもC2として150pFの容量を接続しているが、この容量は漂遊容量による影響や伝達時間の影響を緩和する役割も果たす。

 この回路は3.3Vの単電源で動作し、またコンパクトに作ることができるため、センサーによって値を検出したい部分に容易に取り付けられる。IC3A、IC3BはそれぞれIC2A、ICSBの出力信号をLVDS(低電圧差動信号伝送)レベルに変換し、ケーブル(カテゴリ5e)によって計器の本体に伝送する。このケーブルの長さが数m程度だとすると、その容量値は数pFから数百pFとなるが、伝送帯域幅の許容範囲にあり測定精度を保つことができる*2)

 図2の回路はケーブルを介した受信側の回路である。この回路では、インターフェース回路からのLVDS信号がそれぞれIC4A、IC4BによってLVTTL(低電圧トランジスタ‐トランジスタロジック)レベルに変換され、1組の積分回路(フィルタ回路)を通って出力電圧となる。各々の出力電圧V01、V02は、信号のデューティサイクルに比例する(以下参照)。

図2 ケーブルを介した受信側の回路 図2 ケーブルを介した受信側の回路 ケーブルを介した受信側の回路において、インターフェース回路からの信号はIC4A、IC4BによりLVTTLレベルに変換され、積分回路よって検出値を表す電圧となる。

脚注

※1…"SN54LV221A, SN74LV221A: Dual Mono stable Multivibrators With Schmitt-Trigger Inputs," Texas Instruments, April 2005

※2…High-performance linear products tech nical staff, LVDS Application and Data Handbook, Texas Instruments, Novem ber 2002


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