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» 2009年01月01日 00時00分 UPDATE

CEATEC JAPAN 2008:際立つ電子部品メーカーの車載用途の開発展示

「CEATEC JAPAN 2008」が、2008年9月30日から10月4日まで、東京ビッグサイトで開催された。2007年と比べ、半導体メーカーの出展が大幅に減った中で、エレショーと呼ばれた時代からこの展示会をメインとして来た電子部品メーカーの存在感が目立った。

[本誌編集部 取材班,Automotive Electronics]

 2008年のCEATECで顕著だったのが、国内大手半導体メーカーの出展が少なかったこと。大手電機メーカーの展示でも半導体子会社の製品に関する出展はほぼ見られず、その一方で車載用途を含めて電子部品メーカーの存在感が際立った印象だ。


写真1 日産自動車のバイオメトリックロボットカーBR23C 写真1 日産自動車のバイオメトリックロボットカーBR23C 2007年の目玉はスカイラインクーペだったが、今年はロボットを使ったセンサーのコンセプト展示に注目が集まった。

 2007年に引き続き出展した日産自動車は、衝突回避技術のコンセプトとなるバイオメトリックロボットカー「BR23C」を展示した(写真1)。レーザーレンジファインダによるセンシングと昆虫の回避行動を応用することで、現行の自動車の安全システムに比べて、単純なアルゴリズムで障害物を探知できるという。銀色のロボットは、障害物が比較的遠方にある時点から回避行動を取り、赤色のロボットは障害物が近くに来た時に回避するように設定されている。

 ムラタセイサク君のいとこ「ムラタセイコちゃん」が注目を集めた村田製作所は、自動車から乗降する時などに帯電した人体と金属の間で発生する静電気放電を抑制する車載イオナイザ「MHMS703」を展示した(写真2)。冬場に20kV以上の電圧に帯電することもある人体に対して、イオンを照射して秒速単位で除電を完了する。10kVから2kVまでの除電時間は2秒以下となっている。自動車メーカーと共同開発している製品で、2010年〜2011年ごろに実車搭載される見込み。

写真2 村田製作所の車載イオナイザ 写真2 村田製作所の車載イオナイザ 帯電させた手の形状モデルとアルミ箔を貼った自動車のプラモデルのドアを近づけると放電するが、イオナイザで除電すると放電が起こらないというデモンストレーションを行った。
写真3 エプソントヨコムのシャイロホバー 写真3 エプソントヨコムのシャイロホバー すでにカーナビなどに採用されているジャイロセンサーを使って、自動車の横滑り防止装置と同様の制御を行う。
写真4 ロームの圧電薄膜ジャイロセンサー 写真4 ロームの圧電薄膜ジャイロセンサー 将来的には、アクチュエータやサーボ処理回路も含めて1チップ化することも計画している。
写真5 TDKの大型リチウムイオン電池モジュール 写真5 TDKの大型リチウムイオン電池モジュール モジュールの後ろに見えるセルを複数組み合わせて構成している。仕様は公称電圧37V、公称容量20Ah、質量は7.5kgなので、エネルギー密度は100Wh/kg弱となる。

 エプソントヨコムは、水晶ベースのMEMSジャイロセンサー「XV-8000CB」を搭載したホバークラフトの模型を使ってデバイス性能をアピールした(写真3)。通常のホバークラフトは、空中に浮いた状態にあるため、走行中に外力を加えるとドリフト走行のように斜めになって前に進むことになる。ジャイロセンサーによる制御でドリフトは起こらなくなるが「この小さい模型に搭載できるのが最大のアピールポイント」(エプソントヨコム)という。

 ロームは、半導体製造で用いる強誘電体材料の応用展開として開発中の圧電薄膜ジャイロセンサーを参考展示した(写真4)。制御を行うLSIチップ上に、長さ600μm、横幅25μm、厚さ10μmの振動子を2つ作り込むことで、2軸対応のジャイロセンサーとなっている。2009年末までのサンプル出荷を目指す。

 TDKは、太陽電池などで発電した“エコエネルギー”をそのまま直流で使用する「直流電化エコホーム」という大規模コンセプト展示を行った。この展示の蓄電デバイスとなっているのが、開発中の大型リチウムイオン電池モジュールである(写真5)。セルの外形は角型。「安定性の高い電極材料を採用しており、エネルギー密度も高いレベルを達成できている」(TDK)という。性能的には車載用途への展開も十分可能だ。


写真6 東芝のSCiBを搭載した電動バイク 写真6 東芝のSCiBを搭載した電動バイク SCiBは、後ろの荷台やエンジン部分ではなく、ステップ後部の裏側に設置している。
写真7 タイコエレクトロニクスアンプのECU用コネクタ 写真7 タイコエレクトロニクスアンプのECU用コネクタ 左側が端子幅0.64mm、右側が端子幅0.50mmの製品。0.50mmの製品は、トヨタ自動車のレクサスLS460などにも採用されている。
写真8 パイオニアのモバイルネットワーク再生技術用端末 写真8 パイオニアのモバイルネットワーク再生技術用端末 展示では、カーナビの位置にプロトタイプ端末を設置した運転席とホームサーバーを用意して連携させていた。

 東芝は、リチウムイオン電池「SCiB」について、電動バイクとノート型パソコンへの応用に関する参考展示を行った(写真6)。電動バイクは業務用バイクを想定しており、5分で急速充電が可能な充電器も開発中である。ノート型パソコンでは、長寿命が特徴で、従来のリチウムイオン電池の12倍となる約6000回の充放電が可能だという。

 タイコエレクトロニクス アンプは、市販品では世界最小となるECU用コネクタ「0.50シリーズ」の新モデルとして、端子幅の異なる電極を備えるハイブリッドタイプの「0.50/1.50 Hybrid」を展示した(写真7)。新製品は、幅0.5mmの端子を12極、幅1.50mmの端子を4極持つハイブリッドタイプとなる。

 パイオニアは、自宅に保存してある映像コンテンツを、自動車でストリーミング視聴するための「モバイルネットワーク再生技術」に関する展示を行った(写真8)。2010年頃に本格普及するとみられるWiMAX通信を使って、ホームサーバーの映像などを含めてカーナビで操作できるようにするというもの。「VGAサイズであればWiMAXの帯域幅でも十分送信できるだろう」(パイオニア)という。

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