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» 2009年01月01日 00時00分 UPDATE

パリモーターショー2008:注目集めたハイブリッド車、電気自動車のコンセプト展示 (1/3)

「パリモーターショー(Mondial de l'Automobile、通称パリサロン)2008」が、2008年10月2日から19日まで、フランス・パリのポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場で開催された。欧州ではフランクフルトモーターショーと交互に隔年秋に行われ、世界最大規模のモーターショーとして知られる、パリサロンの2008年の注目展示についてレポートする。

[Automotive Electronics]

目立つCO2排出量性能の表示

 2008年のパリサロン、昨今ヨーロッパでのモーターショーで強く感じる事でもあるのだが、環境負荷、特に二酸化炭素(CO2)排出量削減に向けた展示作りがまず目をひく。どの自動車メーカーのブースにも環境を意識したイメージで統一され、自動車の諸元表の一番目立つスペックはCO2排出量だ。


パリサロン2008の会場 パリサロン2008の会場 

 では、お膝元のフレンチカーメーカーから見ていこう。フランスのカーメーカーはイタリアなどと並んで、小型車やディーゼル車が多いことからCO2排出量の低いクルマが多く、2008年欧州自工会の自主規制である140g/kmの水準に達している数少ないメーカーである。そのためか、あまりハイブリッド等のシステムで話題になる事はないのだが、今年は違った。ワールドプレミアとなるクルマはすべてハイブリッド車だった。

写真1 Renault社の「Ondelios」 写真1 Renault社の「Ondelios」 いかにもフランス的ともいえるデザインが特徴的なガルウイングドアで、6人乗りのクラスレスな自動車。パワートレインは、150kWの2リットルdCiディーゼルエンジンと20kWの電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステム。フラッグシップに相応しく120g/kmのCO2排出性能を持つ。
写真2 Renault社の「Z.E.Concept」 写真2 Renault社の「Z.E.Concept」 今年のパリショーでのルノー・日産連合は、電気自動車色が一段と強い。ルノーからの提案がこのZ.E.だが、その名の通り、ZeroEmissionを意味する。携帯電話によるナビゲーションシステムなど、極力少ない電力消費に拘っている。EV普及の鍵となるインフラ面にも同連合は力を入れていて、世界の5地域との協調も進めている。
写真3 プジョーの「PROLOGUEHYmotion4」 写真3 プジョーの「PROLOGUEHYmotion4」 Hymotion4と呼ばれるPSA社のハイブリッド4輪駆動システムを搭載する、クロスオーバータイプのコンセプトカー。2リットルのHDiディーゼルエンジンが120kW出力で前輪を駆動し、20kWの電気モーターが後輪を駆動する。109g/kmのCO2排出性能は2.2リットルディーゼル車に対し35%もの性能向上をしているという。
写真4 シトロエンの「HypnosHYmotion4」 写真4 シトロエンの「HypnosHYmotion4」 PSA社のHYmotion4ハイブリッドシステム展開の1台。スタイリッシュな外観を持つSUVで、147kWのHDiディーゼルエンジンと37kWのモーターでそれぞれ前輪、後輪を分担する。CO2排出性能は120g/km。エンジンを使わないEV走行も可能で50km/時で約3km走れるという。
写真5 プジョーの「908HDiHY」 写真5 プジョーの「908HDiHY」 2008年のル・マン24時間レースでは惜しくも優勝を逃し2位となった「908HDi」に、ハイブリッドシステムを搭載した。2009年のF1に導入予定のKERSとほぼ同じエネルギー回生装置を採用。ル・マンでは2009年を試験的導入年とし、2010年から本格導入される見込み。既に試験走行中でシトロエンの「C4WRC」と共にPSA社のハイブリッド展開を牽引する。
写真6 シトロエンの「CitroenC4WRC」 写真6 シトロエンの「CitroenC4WRC」 世界初のハイブリッドラリーカー。左右で塗り分けられたカラーリングが新しいコンセプトを示し面白い。システムはPSA社が推し進めるHY--motion4で、320ps、569Nmを発揮する2リットルターボエンジンで前輪を駆動し、125kWのモータージェネレータが後輪を駆動するなどラリーカーらしくパワフル。2次電池はリチウムイオンだ。

 Renault社(ルノー)からは、「Ondelios(オンデリオス)」というフラッグシップとなるハイブリッド車や、パワートレイン部を日産自動車と共同開発している「Z.E. Concept」という電気自動車を発表(写真1、2)。今展示会で、ルノー・日産連合はフランスでEDFという電力会社と電気自動車の実証プロジェクトを進めることも発表した。

 続いてPSA Peugeot Citoroen社(プジョー・シトロエン)からは、「HY-motion4」というハイブリッドコンセプトが提案された。通常の2輪駆動車のエンジンで駆動されない軸(FF車なら後輪)に電気モーターを追加装備し、ハイブリッド化するのと同時に4輪駆動化するというもの。プジョーブランドからは、「PROLOGUE(プロローグ)」というコンセプトカー、シトロエンブランドからは、エレガントな外観をもつ「Hypnos」というコンセプトモデルが、いずれもHYmotion-4のハイブリッドシステムで登場した(写真3、4)。さらに、ル・マン24時間レースで、ドイツAudi社と好バトルを繰り広げている「プジョー908-HDi」に、F1マシンで採用される予定のKERSと同様なエネルギー回生装置を装備したハイブリッドモデル「908HDi HY」も展示ブースの中央に飾られていた(写真5)。

 モータースポーツ分野ではシトロエンの「C4 WRC」にもHYmotion4が搭載されるが、なんと125kWもの電気モーターを搭載している(写真6)。すでに試験走行を繰り返しているこの世界初のハイブリッドシステム搭載ラリーカーは、実戦投入を待つばかりだ。

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