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DCモーター用の回転速度監視回路Design Ideas

» 2009年01月01日 00時00分 公開
[EDN]

 本稿では、冷却ファンを駆動するDCモーターの回転速度を監視する回路を紹介する。図1の回路を用いれば、冷却ファン用DCモーターの回転速度をモニターするとともに、モーターの停止時には警報音を発することができる。パソコンの冷却ファン(CPUファン)を駆動するモーターなどでの利用を想定したものだ。


図1 モーターの回転速度の監視回路 図1 モーターの回転速度の監視回路 この回路はブラシレスDCモーターの回転速度の監視に用いる。回転速度が規定値以下になったと判定したら、最初のタイムアウト時間に達した時点で警報音を発生する。そのまま2つ目のタイムアウト時間に達したら、パソコンの電源を遮断する。

 多くのパソコンには、起動時にBIOS(Basic Input/Output System)によってCPUファン/筺体ファンの回転速度をモニターする機能が設けられている。この機能をそのまま利用することも可能ではあるが、1つ問題がある。すなわち、起動時のモーター回転速度が設定値より低い上昇率で増していく場合、起動過程の早い段階でパソコンの電源がBIOSによって自動的に遮断され、その状況に応じてBIOSの設定を修正することができないという問題だ。そのため、このBIOSの機能を非適用にすることを推奨しているケースも多く見受けられる。

 それに対し、図1の回路を使用すれば、モーターの回転速度を連続的にモニターすることができ、回転速度に異常が生じたら警報音を発したり、パソコンの電源を自動的に遮断したりすることができる。

 図1の回路において、冷却ファンの駆動用ブラシレスモーターの整流時に生じるパルス電圧が、コンデンサC1、抵抗R3を経由してトランジスタQ1とQ2で構成されるシュミットトリガー回路に入力される。そして同回路の出力がトランジスタQ3を制御する。このQ3のオン/オフ動作による信号が、ファンの接続コネクタのセンス端子に伝わる。この信号の周波数がモーターの回転速度に比例する仕組みだ。

 図の回路において、タイマーとして機能するIC1「CD4060」には、2種類のタイムアウト時間が設定されている。このタイマーはシュミットトリガー回路の出力によってリセットされ、最初のタイムアウト時間に達したら警報用のブザーを駆動する。この警報音はトランジスタQ4と3端子型圧電ブザーにより発生する。

 引き続き、2つ目のタイムアウト時間に達すると、トランジスタQ5が直接、またはリレーを経由してパソコンの電源を遮断する。この回路をマザーボード上の電源スイッチのコネクタから20cm〜30cmも離して配置する場合には、Q5で直接電源を遮断するのではなく、リレーを経由して遮断するほうが望ましい。

 なお、電源を遮断するQ5のコレクタ端子、あるいはリレーの端子は、主電源スイッチと並列に接続する必要がある。

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