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» 2009年03月07日 00時00分 UPDATE

アナログICの基礎の基礎:第7回 ダイオードの存在する回路

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 第4回〜第6回では受動部品が存在する回路の過渡応答をご説明しました。今回(第7回)からは能動部品が存在する回路を解説します。代表的な能動部品は、ダイオードとトランジスタです。今回はまず、ダイオードについて説明します。

 ダイオードは、抵抗やコンデンサ、インダクタンスなどと同様に、2本の電極を備えています。2本の電極を備える回路素子は「二端子素子」とも呼ばれています。ダイオードの2本の電極は1本がアノード(陽極)、もう1本がカソード(陰極)と呼称されており、2本の電極間ではアノードからカソードの方向だけに電流が流れます。

 言い換えると、アノードにプラスの電圧(カソードは接地あるいはマイナスの電圧)を加えると電流が流れ、抵抗がゼロの素子となり、カソードにプラスの電圧(アノードは接地あるいはマイナスの電圧)を加えると電流がまったく流れず、抵抗が無限大の素子となります。このようにダイオードは、電圧の印加方向によってまったく違う振る舞いを示します。

ダイオードと抵抗、交流電源を直列接続した回路

図1 図1:交流電源UとダイオードD、抵抗Rを直列に接続した閉回路

 それではダイオードと抵抗を直列に接続した電気回路で、電圧信号と電流信号の変化を考えてみましょう。交流電源UとダイオードD、抵抗Rを直列に接続した閉回路を想定します(図1)。

 交流電源は正弦波状の電圧を出力します。このため、交流電源Uの両端における電圧波形は図2のようになります。

 そして、交流電源Uの両端における電流波形は図3のようになります。電流が一定の間隔で脈打つように流れていることが分かります。

図2 図2:交流電源Uの電圧波形(このグラフは定量的には正しくありませんのでご注意ください)
図3 図3:ダイオードDと抵抗Rを直列に接続した回路の電流波形(このグラフは定量的には正しくありませんのでご注意ください)

 ダイオードの働きにより、電流は1方向にしか流れません。この働きを「整流作用」と呼び、この回路を交流電気信号の半分だけが整流されていることから、「半波整流回路(はんぱせいりゅうかいろ)」と呼んでいます。

 ダイオードが存在する回路では、ダイオードに電流が流れる方向を順方向、電流が流れない方向を逆方向として区別しています。順方向の電流量iは、抵抗Rと交流電圧V(t)で決まる値V(t)/Rとなります。抵抗Rは電流量が過大にならないように制限する抵抗「電流制限抵抗」として働いていることが分かります。

半波整流と全波整流

 それでは、交流電気信号のすべてを整流し、1方向の電流に変換するにはどうしたらよいでしょうか。複数のダイオードを組み合わせると、実現できます。

 最も良く知られているのは、4個のダイオードを互い違いに接続した回路です。2個のダイオード対が交流信号の半分ずつを受け持って整流する、という回路構成となっています。このような回路を「全波整流回路(ぜんぱせいりゅうかいろ)」と呼んでいます。ダイオードがブリッジを組んでいるので、「ブリッジ形全波整流回路」と呼ぶこともあります。

図4 図4:全波整流回路の例
図5 図5:全波整流回路の電流波形(このグラフは定量的には正しくありませんのでご注意ください)

 全波整流回路によって、電流は1方向しか流れなくなりました。1方向、すなわち、直流ですね。ダイオードのブリッジによる全波整流回路は、交流を直流に変換するときの基本となる回路であり、古くから存在し、現在でもACアダプタや整流器などで使われています。直流電圧源を構成するときの基本回路でもあります。




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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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