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» 2009年04月01日 00時00分 UPDATE

3Vの電源電圧でLEDフラッシュライトを実現

[GY Xu(米XuMicro社),EDN]

 安価なLEDフラッシュライト(懐中電灯)では、多くの場合、4.5Vの電源、つまり単3型または単4型の電池を3個使用する。白色LEDを駆動するには、3.3V〜3.5Vの電圧を必要とするからだ。本稿では、昇圧回路を用いて、3Vの電源で5〜10個ほどのLEDを駆動するフラッシュライトの実現方法を紹介する。


図1 LEDフラッシュライトを駆動するための昇圧回路 図1 LEDフラッシュライトを駆動するための昇圧回路 

 図1に示したのが本稿で取り上げる昇圧回路である。この回路は、わずか6個の部品で構成されており、1インチ(約2.54cm)平方以下の小型プリント配線板上に構成できる。ただし、使用する部品の種類とその特性には注意を要する。

 IC1は米Atmel社のマイクロコントローラ「ATtiny13」であり、これによって昇圧制御に用いるチャージポンプ回路を構成している。同コントローラが内蔵する発振器の周波数は、電源電圧が3.5Vの場合で1.2MHzである。また、電源電圧は1.8Vまで下げることができ、消費電力も少ない。Q1はnpnトランジスタ「ZTX618」であり、飽和電圧が低く、コレクタ電流は3Aまでとなっている。D1はショットキーダイオードであり、順方向電圧が低く、高い効率が得られる。

図2 インダクタL<sub>1</sub>に流れる電流の変化 図2 インダクタL1に流れる電流の変化 Q1がオンの時間にL1にエネルギーが蓄積し、オフの時間にそのエネルギーがコンデンサC2に移動する。

 IC1に3Vの電源電圧を印加すると、PB2端子の出力がハイになり、Q1がオンになる。これに伴い、Q1のコレクタ電位はグラウンドレベルの近くまで落ちる。その結果、インダクタL1に電流が流れ始める。この電流はPB2端子の出力がローに変化するまでは増大し、ピーク値IPKに達する(図2)。このように動作するには、インダクタL1が飽和しないことが条件となる。

 IC1のPB2端子の出力がローになると、Q1がオフになり、L1のエネルギー放出が始まる。その結果、逆起電力が発生し、ダイオードD1が導通状態になる。これにより、L1に蓄積されていたエネルギーがコンデンサC2に移動する。C2には、LEDを点灯させるに十分なレベルまでエネルギーが蓄積される。電源電圧VIN、インダクタL1の値L、L1に流れるピーク電流IPK、PB2端子の出力がハイの期間TONの間には、次の関係が成り立つ。

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リスト1 ATtiny13用のプログラム リスト1 ATtiny13用のプログラム 

 電源電圧が3Vの場合に、L1としてインダクタンスの値が公称10μH、飽和電流が1.5A以上のものを選ぶとしよう。その場合、TONの値は5μsとなる。リスト1に示したプログラムでは、トランジスタQ1のオン時間がこの値になるようにしている(後述)。IC1が備えるプログラム用メモリーの容量は1Kバイトだが、リスト1のプログラムはそのうちの22バイトしか使用しない。

 このプログラムでは、次のようにして昇圧回路を制御する。まず、PORTB2(PORTBのビット2)に対するSBI(ビットセット)命令によってPB2端子の出力をハイにするとトランジスタQ1がオンになる。マイクロコントローラは内蔵発振器により1.2MHzの周波数で動作するので、その後はクロックサイクル(約0.8μs)ごとにNOP(No Operation)動作となる。NOP動作は6回繰り返されるので、トランジスタQ1は約5μsの間オンになるということだ。その後、PORTB2に対するCBI(ビットクリア)命令によってPB2端子の出力がローになると、Q1がオフになる。

 実験を行った結果、この昇圧回路は100kHzのスイッチング周波数で動作し、LEDが5個の場合には電圧が17Vで35mAの出力電流が得られ、LEDが10個の場合には電圧が32Vで20mAの出力電流が得られた。

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