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» 2009年06月01日 00時00分 UPDATE

±1%精度の定電流源IC、最大200mA出力で入出力コンデンサも不要

[EDN]

 米Linear Technology社は2009年4月、0.5mA〜200mAの範囲で一定の電流(定電流)を出力できる電流源IC「LT3092」を発表した。産業機器、計測機器、車載部品、医療用機器におけるセンサー用の定電流ドライバや、各種IC用の電流リミッタといった用途に向ける。

 LEDの駆動や、光ケーブルのレーザーのドライバなど、定電流を必要とする用途は数多く存在する。しかし、定電流の出力だけに特化したIC製品はあまり供給されていない。Linear Technology社自身、電流源ICとしては標準ICとして広く用いられている「LM134」を販売している程度である。しかし、LM134は出力電流範囲が1μA〜10mAで精度も±3%と、出力電流、精度ともに市場の要求に満たないケースも少なくない。そのため、定電流を得たい場合、オペアンプなどを用いてディスクリート構成で実現している例が多いという。LT3092は、こうしたディスクリート構成によって生じる実装面積や部品コストの問題を解消するために開発された。


図1 LT3092のアーキテクチャ 図1 LT3092のアーキテクチャ 緑の網掛け部分がLT3092。2本の抵抗で出力電流を設定する。

 LT3092は、図1に示すようなアーキテクチャ(概念図)で構成される。回路の主要な構成要素は、定電流源(10μA)とオペアンプ、2個のトランジスタである。同社のリニアレギュレータ「LT3080」のアーキテクチャを踏襲したもので、SET端子に付加した外付け抵抗R1とOUT端子に付加した外付け抵抗R2によって、IOUT=10μA×R1/R2の式で出力電流が決まる。

 LT3092の入力電圧範囲は1.2V〜40V。出力電流は、0.5mA〜200mAの範囲で設定できる。出力電流の精度は25℃において±1%、全動作温度範囲では±2%を実現している。また、入力1Vに対する出力電流の変動は10ppmと、LM134の200ppmに比べて1/20の値に抑えられている。

 LT3092のアーキテクチャでは、フィードバックループが構成されている。こうした回路では、通常は入力部/出力部にコンデンサを付加して位相補償を行う必要がある。LT3092では、この外付けコンデンサが不要となっている。入力電圧の変動が直接的に内部回路に伝わらないようにしたり、内部回路を差動方式で構成したりすることにより、IC自身で安定性を確保するよう設計されているという。

 さらに、出力電流を増やしたい場合には、複数のLT3092を並列接続して使用することもできる。一方、入力電圧が40Vよりも高い条件で使用したい場合には、LT3092を2個直列接続すれば70V程度まで対応できるという。このほか、逆電流保護機能や過電流/過熱保護機能なども備えている。

 パッケージは、外形寸法が3mm×3mm×0.75mmの8端子DFNと、8端子SOT-23、3端子SOT-223の3種類をそろえている。動作温度範囲は、「LT3092E」や「LT3092I」が−40〜125℃で、「LT3092MP」が−55〜125℃。1000個購入時の単価は、DFN/SOT-23のパッケージのEグレード品が173円から、Iグレード品が192円から。同様に、SOT-223ではEグレード品が183円から、Iグレード品が204円から、MPグレード品が497円からとなっている。

(村尾 麻悠子)

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