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» 2010年03月01日 00時00分 UPDATE

太陽電池と組み合わせたEV 用充電システム、アルバックが開発

同システムは、大きく太陽光発電設備と、電気自動車用の充電器の部分に分けられる。パワーコンディショナの最大効率は98%である。

[EDN]

 アルバックは2010年1月、太陽光発電設備と充電器を組み合わせた電気自動車(EV)用の充電システムを開発したと発表した。また、同システムが、神奈川県茅ヶ崎市の市営駐車場に採用されたことを明らかにした。

 同システムは、大きく太陽光発電設備と、電気自動車用の充電器の部分に分けられる(図1)。太陽光発電設備は、太陽電池パネル、太陽電池パネルで発電した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ、電源設備、発電量管理モニターなどから構成される。一方、電気自動車用の充電器については、3相の交流を用いて充電を行う急速充電器と、1相の交流を用いて充電する通常充電器から成る。急速充電器としては、充電出力が50kWと25kWの製品を用意しており、東京電力が指定する急速充電器の規格に準拠している。充電出力が50kWの製品であれば、三菱自動車の電気自動車「i-MiEV」のリチウムイオン電池を、約25分で80%まで充電できるという。なお、通常充電器を用いた場合、充電に8〜14時間かかるとされている。

図1 アルバックが提案するシステムの概要(提供:アルバック) 図1 アルバックが提案するシステムの概要(提供:アルバック)

 パワーコンディショナ、急速充電器などの電力変換装置は、アルバックの子会社である日本リライアンスが開発した。日本リライアンスによれば、「当社は、アルバックのスパッタリング装置の電源を開発している。そこで培った高周波スイッチング技術と、平滑な電力供給を行うための技術を活用することにより、これらの電力変換装置を短期間で開発することができた」という。また、パワーコンディショナについては、「メガソーラー」と呼ばれる太陽光発電所などで用いることが可能な最大出力が300kWクラスの製品など、大容量タイプの製品開発を完了している。パワーコンディショナの最大効率は98%である。今後は、家庭用などで用いられる小容量のパワーコンディショナの開発も検討している。

茅ヶ崎市営駐車場が採用

写真1 記者会見で披露されたデモシステム 写真1 記者会見で披露されたデモシステム アルバック茅ヶ崎本社に設置された。中央の装置が急速充電器である。この急速充電器を使って、アルバックが購入した「i-MiEV」に充電している。急速充電器の右側の比較的小さな装置が通常充電器。

 アルバックは、デモストレーション用のシステムを茅ヶ崎本社に設置した。太陽光発電設備の発電量は8.4kW。今後、発電量が16.8kWとなるように、太陽電池パネルの数を2倍に増やす予定である。充電器は、充電出力25kWの急速充電器を1台、通常充電器を1台備える。記者会見でこれらを披露した(写真1)。

 茅ヶ崎市の市営駐車場に採用されたシステムは、発電量20kWの太陽光発電設備と、充電出力50kWの急速充電器1台、通常充電器3台で構成される。アルバックによれば、システムの総額は数千万円規模だという。太陽電池パネルについては、発電量200Wのパネルを108枚、駐車場の屋上に設置する。この太陽電池パネルは、アルバックの太陽電池パネルの一貫製造ラインを導入した顧客から、アルバックが購入したものである。また、市役所の本庁舎には、市営駐車場における太陽光発電や電気自動車への充電の状況を監視できるモニターが設置される。なお、日照の少ない日や夜間など、太陽電池パネルの発電量を上回る出力となる急速充電を行うときには、電力会社の一般電源を利用する。一方、太陽電池パネルで発電した電力を充電に用いない場合には、駐車場設備の電力として利用することが可能である。

 これらの太陽光発電設備と電気自動車用の充電器の販売は、アルバックのカスタマーズサポート事業部が担当する。国内のみならず、アルバックの海外拠点や関連会社を利用して、海外でも積極的に受注活動を行う。初年度(2010年7月〜2011年6月)の受注目標額は10億円。なお、充電器単体の価格は、急速充電器が250万〜300万円、通常充電器が30万〜60万円となっている。

 アルバック社長の諏訪秀則氏は、「当社は、事業の中核であるFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置以外の事業を育てる『ポストFPD戦略』を推進してきた。今回発表したシステムはその戦略の一環となる製品だ。今後も、新製品/新事業を生み出すための取り組みを進めていきたい」と述べる。また、同社会長の中村久三氏は、「当社の太陽電池パネル一貫製造ラインの顧客から購入した太陽電池パネルと、パワーコンディショナを組み合わせて、大規模太陽光発電向けに販売する事業は有望だと考えている」としている。

(朴 尚洙)

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