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PHEVのトラックが登場、最新の安全システムも多数人とくるまのテクノロジー展 2010(3/4 ページ)

» 2010年07月01日 00時00分 公開
[本誌編集部 取材班,Automotive Electronics]

部品や開発ツールも進化

 部材や開発ツールのメーカーも、EV/HEV関連の展示に注力していた。


写真10「TMPR450グループ」のデモ 写真10 「TMPR450グループ」のデモ TMPR450グループの動作周波数は160MHzで、プロセッサコアには英ARM社の「Cortex-R4F」を採用する予定である。
写真11ロームのSiC-MOSFET 写真11 ロームのSiC-MOSFET ロームは、2010年秋から、耐圧600V/電流5Aの製品を皮切りに、SiC-MOSFETの量産を開始する計画である。
写真12住友化学の「エナヴィオ」 写真12 住友化学の「エナヴィオ」 エナヴィオでは、コスト上昇の原因になるコバルトを用いず高い特性を得るために、粒子サイズをほかの材料の約1/10まで微細化している。
写真13「INCA」のEV/HEV向け製品群 写真13 「INCA」のEV/HEV向け製品群
写真14dSPACEJapanのFPGAボード「DS5203」を用いたデモ 写真14dSPACEJapanのFPGAボード「DS5203」を用いたデモ

 東芝は、モーター制御用マイコン「TMPR450グループ」を展示した(写真10)。従来のモーター制御用マイコンが備えるベクトル制御回路のうち、ソフトウエア処理で行っていた電流制御部を「ベクトルエンジン(VE)」としてハードウエア化したこと、ならびに2つのモーターを用いるようなEV/HEV向けに機能を最適化したことを特徴としている。

 ロームは、SiC(シリコンカーバイド)ウェーハを用いたパワーデバイスの製品群を展示した。展示されたのは、SiCベースのショットキーバリアダイオード(SBD)、MOSFET(写真11)、これらSiCデバイスを搭載したインバータ/コンバータモジュールである。

 住友化学は、現在開発中のLiイオン電池用正極材料「エナヴィオ」を展示した(写真12)。2010年度中に量産を開始する予定である。同社は、エナヴィオを用いることで、スピネルマンガン(Mn)系材料と同程度の出力密度、ニッケル(Ni)/コバルト(Co)/Mnで構成される3元系と同程度の容量密度を実現できるとしている。

 イータスは、ECU開発の計測/適合プロセスで用いるツール「INCA」について、EV/HEV向けの製品ラインアップを拡充することを示す展示を行った(写真13)。同社は、2010年9月に、イーサーネットチャンネルを2個搭載するインターフェースモジュール「ES593-D」を、2010年末には、センサー電源付きA-D変換モジュール「ES411」と組み合わせて用いる高電圧/大電流計測に対応するアダプタなどを順次発売していく予定である。

 dSPACE Japanは、FPGAボード「DS5203」を用いたデモンストレーションを行った(写真14)。一般に、EV/HEVの走行用モーターは、数10μs周期のPWM(パルス幅変調)信号によって制御されている。これは、ガソリンエンジンの制御信号の周期である1msよりも大幅に短い。DS5203は、このような短い周期にも対応できる、HILS(Hardware in the Loop Simulation)システムなど向けのI/Oボードである。

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