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» 2011年02月01日 00時00分 UPDATE

【ビデオ講座】アナログ設計の新潮流を基礎から学ぶ:センサから始まるシグナルパス(1) 最適なオペアンプの選択方法

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【ビデオ講座】センサから始まるシグナルパス(1) 最適なオペアンプの選択方法 (クリックで動画再生)


 現在、センサ技術が注目を集めている。センサ技術を使えば、電子機器に新しい魅力的な機能を付加できるからだ。例えば、携帯型メディア・プレーヤやスマートフォンなどでは、タッチパネルやジャイロセンサ(角速度センサ)を搭載することで、新たなユーザー・インタフェースを実現している。タッチパネルは、容量変化や抵抗変化などを検出するセンサであり、ジャイロセンサは傾きを検出するセンサである。電子機器に搭載されるセンサは、新たな機能を実現すべく今後も増える見込みである。

 ただし、センサを電子機器に組み込む作業は決して簡単ではない。センサの出力はアナログ信号だからだ。この信号を電子機器のアプリケーションで利用するにはデジタル信号に変換しなければならない。もちろん、A-Dコンバータを使えばデジタル信号に変換できるが、センサから出力されるアナログ信号の振幅は非常に小さい。このため、A-Dコンバータを単純に使っただけでは、希望するデジタル信号は得られない。センサから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するまでの「シグナルパス」を注意深く設計する必要がある。

三つの大きな回路要素

図1 図1 シグナルパスを構成する3要素

 センサから始まるシグナルパスは一般に、三つの大きな回路要素から構成されている。一つはオペアンプ、二つめはフィルタ、三つめはA-Dコンバータである(図1)。センサから出力された微弱なアナログ信号をオペアンプで増幅し、フィルタにおいて余分な周波数成分を除去し、A-Dコンバータでデジタル信号に変換する。それでは以下で、この三つの回路要素を設計、もしくは選択する際に注意すべき点を解説する。

 まずはオペアンプである。オペアンプは、大きく分けて二つに分類できる。高速向けと低速向けである。両者の境目は、50M〜100MHzである。高速向けの主なアプリケーションは、無線通信の基地局や計測機器、医療機器などである。一方、低速向けは、温度や光、圧力などの物理量を検出する用途が主なアプリケーションとなる。従って、センサから出力されたアナログ信号を扱う用途では、50M〜100MHz以下の低速向けを採用すればよいことになる。この低速向けのオペアンプを選択する際に注意すべき特性は、ナショナル セミコンダクター ジャパンでシグナルパス関連製品のマーケティングを担当している原田佳樹氏によると「入力オフセット電圧と、その温度ドリフト、入力バイアス電流の三つ」という。

 入力オフセット電圧とは、入力のアナログ信号に含まれる直流(DC)成分である(図2)。この値は、非常に小さいことが求められる。なぜならば、この値もオペアンプで増幅されてしまうからだ。入力オフセット電圧が大きいと、グラウンド・レベルが変動してしまう。つまり、増幅した信号の精度が大きく低下してしまうわけだ(図3)。どの程度の値ならば問題ないのか。例えば、アナログ信号の振幅がmVオーダーであれば、入力オフセット電圧はμVオーダー以下であることが求められる。

図2 図2 入力オフセット電圧とは?
図3 図3 入力オフセット電圧が引き起こす問題点

 2番目の入力オフセット電圧の温度ドリフトとは、入力オフセット電圧の温度変化分である(図4)。一般に、入力オフセット電圧は、温度が低下したり上昇したりすると増加する傾向にある。電子機器は、さまざまな環境で使われる。従って、温度変化分(温度ドリフト)が大きいと、増幅した信号の精度が低下してしまう。従って、オペアンプを選択する際には、入力オフセット電圧の温度ドリフトが小さい品種を選択する必要があるわけだ。

図4 図4 入力オフセット電圧の温度ドリフトとは?
図5 図5 入力バイアス電流とは?

図6 図6 業界最高水準のオペアンプ
ナショナル セミコンダクターの「LMP2021」のデータシートである。入力オフセット電圧とその温度ドリフト、入力バイアス電流ともに良好な特性が得られている。


 3番目の入力バイアス電流は、これも増幅した信号の精度にかかわる特性である。入力バイアス電流とは、入力端子に流れ込む電流、もしくは入力端子から流出する電流である。通常、入力端子には抵抗が接続されており、ここに電流が流れれば電圧降下が発生する。この電圧降下分がオペアンプによって増幅されると、前述の入力オフセット電圧と同様に、増幅した信号の精度が低下してしまう。仮に、入力バイアス電流が0.5μAと小さくても抵抗が100kΩであれば、50mVものオフセット電圧成分が発生してしまうのだ(図5)。従って、使用する抵抗に依存するが、入力バイアス電流はnAオーダーやpAオーダーと非常に小さい品種を選ぶ必要がある。

 入力オフセット電圧と、その温度ドリフト、入力バイアス電流の三つの特性に優れたオペアンプンの例としては、ナショナル セミコンダクターの「LMP2021」がある(図6)。原田氏によると、「業界最高水準の特性を備えるオペアンプ」だという。入力オフセット電圧は−0.4μV(標準値)、その温度ドリフトが−0.004μV/℃(標準値)、入力バイアス電流は±25pAといずれの特性も極めて低い値を実現している。非常に高精度なオペアンプだと言えるだろう。


オペアンプで駆動できるRとCを選ぶ

図7 図7 フィルタの注意点

 センサから始まるシグナルパスを構成する回路要素の二つめであるフィルタは、抵抗とコンデンサから構成されるRCフィルタである(図7)。役割は、不要な高周波成分を除去することである。

 このフィルタを設計する際にまず注意すべき点は、カットオフ(遮断)周波数をいくつに設定するかである。カットオフ周波数はfc=1/(2πRC)で求まる。通常は、フィルタの後段に接続するA-Dコンバータの変換速度(サンプリング・レート)よりも十分に低い値に設定しなければならない。注意すべき点はもう一つある。抵抗とコンデンサともに、オペアンプで駆動できる値を選ぶことである。コンデンサの容量値が大きすぎたり、抵抗の値が極端に小さすぎたりすると駆動できなくなってしまうからだ。どの程度の値にすべきかについては、「オペアンプのデータシートに掲載されているため、その値を参考にしてほしい」(原田氏)という。



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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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