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PTC社のPLMツール「Windchill 10.0」、ECADのデータも管理可能に

» 2011年06月06日 00時00分 公開
[Automotive Electronics]

 PTCジャパンは2011年6月、東京都内でPLM(Product Lifecycle Management)ツールの最新バージョン「Windchill 10.0」についての記者説明会を開催した。

 Windchill 10.0は、2009年に発表された「Windchill 9.1」以来、2年ぶりのメジャーバージョンアップとなる。米PTC社の製品開発部門でWindchillプロダクトマネジメントディレクタを務めるMichael P Hayek氏(写真1)は、「Windchill 10.0は、新しい機能を搭載することはもちろん、ユーザー体験(User Experience)や操作性(Usability)の向上に至るまで、多くの労力を割いて開発してきた。投資金額は1億米ドルを超える」と語る。


写真1 PTC社のMichael PHayek氏 写真1 PTC社のMichael PHayek氏 

 今回のバージョンアップでは、「Do More」、「Know More」、「Get More」という3つの分野で機能向上が図られている。まず、Do Moreでは、機械設計CAD(MCAD)データ、電子回路設計CAD(ECAD)データ、関連文書、サービスマニュアルなど製品開発にかかわるすべての成果物の情報を一元管理できるようになった。特に、「図研をはじめとするECADのデータと、ECADデータに関連するBOM(部品表)を扱えるようになったことは、重要な機能向上だと考えている」(Hayek氏)という。また、従来は対応していなかった、フランスDassault Systemes社の3次元CADツール「CATIA」のCADデータも取り扱えるようになった。さらに、BOMについては、従来のWindchillで対応していた設計用BOM(eBOM)と製造用BOM(mBOM)の連携だけでなく、メンテナンスサービスに用いるパーツリストなどとも連携させられるようになった。

 次に、Know Moreでは、従来は個別に販売されていた製品情報分析ツールの「InSight」と品質管理ツールの「Relex」が、Windchillの製品ファミリとして統合された。InSightは「Windchill Product Analytics」、Relexは「Windchill Quality Solutions」というブランド名に変更される。Windchill Product Analyticsでは、開発中の製品が含有する化学物質の情報の分析や、コスト分析などを行うことができる。一方、Windchill Quality Solutionsは、製品の開発サイクルにおいて品質を確保するために用いるツールである。なお、両ツールは、2011年9月に予定しているメンテナンスリリース「M020」で提供される予定だ。

 最後に、Get Moreで行われたのが、ツールのユーザー体験や操作性の向上である。これらの実現に向けては、50社以上の企業や160人以上のユーザーによるテストが行われた。ほかにも、従来は製品開発部門向けの管理モデルしか提供していなかったが、実際にPLMツールのメンテナンスを担当するIT(情報技術)インフラの管理者向けにも管理モデルを用意するなどしている。

(朴 尚洙)

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