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ルネサスのカーナビ用SoC「R-Car」の第2弾製品、普及価格帯向けで消費電力は1W以下

» 2011年08月26日 00時00分 公開
[Automotive Electronics]

 ルネサス エレクトロニクスとルネサス モバイルは2011年8月、カーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)をはじめとする車載情報機器向けSoC(System on Chip)「R-Car」の第2弾製品として「R-Car E1」を発表した(図1)。主に、普及価格帯のカーナビや、中型の液晶ディスプレイを搭載するオーディオ機器(以下、ディスプレイオーディオ)の用途に向ける。すでにサンプル出荷を開始しており、2012年6月から量産を開始する。量産規模は、2013年6月時点で10万個/月を計画している。サンプル価格は3000円。


図1 ルネサスの「R-Car E1」 図1 ルネサスの「R-Car E1」 

 R-Car E1は、プロセッサコアとしてARMの「Cortex-A9」を、3D/2DグラフィックスエンジンとしてImagination Technologiesの「PowerVR SGX531」を搭載している。Cortex-A9の最大動作周波数は533MHzで、処理能力は1330DMIPS(Dhrystone MIPS)。一方、PowerVR SGX531の描画性能は、3Dが14メガポリゴン/秒、2Dが443メガピクセル/秒となっている。また、ルネサス独自の映像処理回路「VPU5HD2」も搭載しているので、H.264/MPEG-4の高品位(HD)映像をハードウエアベースで再生することが可能だ。


図2 「AGCPS」による消費電力低減の効果(提供:ルネサス エレクトロニクス) 図2 「AGCPS」による消費電力低減の効果(提供:ルネサス エレクトロニクス) 

 R-Car E1の最大の特徴となるのが、これらのプロセッサやグラフィックエンジンを用いてマルチメディア処理を行う際を含めて消費電力を1W以下に抑えたことだ。この値は、R-Carの第1弾製品である、ミッドレンジ市場カーナビ向けSoC「R-Car M1シリーズ」の通常動作時の消費電力と比べて半分以下に削減されている。消費電力を1W以下に抑えることにより、旧NECエレクトロニクスで開発された、表示されている映像に合わせて液晶バックライトの輝度を制御するガンマ補正回路「AGCPS(Auto Gamma Control and Power Saving)」を搭載した。AGCPSの機能を用いることで、R-Car E1と接続している液晶バックライトの消費電力を最大で50%低減することができる(図2)。これらのように、システム全体の消費電力を低減できることから、冷却システムを小型化したり省いたりすることが可能になるとしている。

 なお、R-Car M1シリーズの特徴の1つであった音声処理回路の「SPU2F」は、R-Car E1には搭載されていない。ただし、ARMの汎用SIMD(Single Instruction Multiple Data)エンジン「NEON」を搭載しているので、AACエンコードなどの音声処理をはじめとする演算負荷の高いマルチメディア信号処理を高効率に実行できる。

 そのほかの周辺機能として、コンポジットビデオ信号を出力するのに用いる10ビットのD-Aコンバータを1チャンネル、汎用の10ビットA-Dコンバータを2チャンネル搭載している。これらの機能により、安価なディスプレイを採用したり、外付けICを用いずに各種センサーのアナログ信号を入力したりできるようになるので、開発期間の短縮や、部品点数の削減による低コスト化が可能になるという。

 そのほかの主な仕様は以下のとおり。メモリーインタフェースはDDR2とDDR3に対応する。電源電圧は、入出力部が3.3V、コアが1.1V、メモリーがDDR2の場合1.8VでDDR3の場合1.5V。パッケージは外形寸法が22mm×22mmの429端子FPBGA。

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