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» 2011年11月21日 00時00分 UPDATE

入出力範囲が2.7〜40Vと広い昇降圧型DC-DCコンバータ、出力電流は2A

[EDN Japan]

 Linear Technology(リニアテクノロジー)は、入力電圧と出力電圧の範囲がともに2.7〜40Vと広い、同期整流方式の昇降圧型DC-DCコンバータIC「LTC3115-1」を発売した(図1)。端子電圧が4Vを下回る1セルのリチウムイオン二次電池から、産業機器で使う24Vや28Vの電源レール、40Vの車載バッテリに至るまで、さまざま電力源に対応できる。出力電圧は上記の範囲内で任意の値に設定でき、多様な負荷に電源を供給することが可能だ。


図1 LinearTechnologyの「LTC3115-1」 図1 LinearTechnologyの「LTC3115-1」 力電圧と出力電圧の範囲がともに2.7〜40Vと広い昇降圧動作のDC-DCコンバータである。パワーMOSFETは内蔵しており、外付けは不要だ。

 同社でVice President and General Manager, Power Business Unitを務めるDonald E Paulus氏は、「車載アプリケーションでは、幅広い入力電圧に対応しなければならない。気温が低いときにバッテリの電圧が一時的に下がるコールドクランクでは3.3Vまで低くなり、オルタネータなどのインダクタンスによってパルス状の大電流が発生するロードダンプでは36Vまで上昇するといった具合だ。この昇降圧型DC-DCコンバータを使えば、これらのような入力電圧が大きく変化する用途でも、電源の安定した供給を維持できる」と話す。

 昇圧動作と降圧動作に使う合計4個のパワーMOSFETと、DC-DCコンバータ制御回路をまとめて1チップに集積したモノリシック品である。従って主な外付け部品は、入力と出力それぞれのコンデンサの他、1個のインダクタだけで済む。後は位相補償用や特性設定用の受動部品を外付けすれば、昇降圧動作のDC-DCコンバータとして機能する。出力電流は、降圧動作時に連続出力で最大2A(入力電圧が6V以上のとき)。昇圧動作時は、例えば出力電圧が5Vの場合に1Aである(入力電圧が3.6V以上のとき)。

図2 代表的な回路構成と基板実装の事例 図2 代表的な回路構成と基板実装の事例 この事例では、負荷電流が1Aのときに90%を超える効率が得られている。

 スイッチング周波数は100k〜2MHzの範囲に設定できる。外部から供給するクロック信号に同期させることも可能だ。昇降圧型DC-DCコンバータ用に独自に開発したPWM回路を採用した。同社として第3世代に当たるもので、「外付け部品のサイズを最小に抑えながら、低ノイズと高効率を実現した」(同氏)という(図2)。変換効率については、「最大95%と高い。SEPIC方式の昇降圧コンバータでは、75〜80%程度にとどまる」(同氏)という。自己消費電流(IQ)が50μAと低いという特徴と相まって、「バッテリ駆動機器の動作時間を延ばせる」(同氏)と説明している。

 パッケージは4×5mmの16端子DFNと、熱特性を強化した4.4×6.5mmの20端子TSSOPを用意した。1000個購入時の参考単価は、DFN品が535円から、TSSOP品が555円から(いずれも税込み)。−40〜125℃の動作接合部温度範囲での動作を保証するインダストリアル(I)グレードも用意しており、参考単価はDFN品が589円から、TSSOP品が611円から(いずれも税込み)。既にサンプル出荷を始めている。

(薩川 格広)

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