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» 2012年01月12日 07時00分 UPDATE

レクロイ LabMaster 10Zi:60GHzのリアルタイムオシロ、28Gbpsの高速シリアルを4次成分まで捕捉可能

帯域幅が60GHzと広い上に、サンプリング速度も160Gサンプル/秒と高い。データ伝送速度が28Gビット/秒の高速シリアル信号であれば、その基本波である14GHzの第4次高調波まで含めて捉えられ、波形を高い精度で観測することが可能だ。

[EDN Japan]

 レクロイ・ジャパンは2012年1月、周波数帯域幅(入力信号の−3dB帯域幅)が最大60GHzと極めて広い、リアルタイムサンプリングのデジタルオシロスコープ「LabMaster 10Zi」を発売した。サンプリング速度も最大160Gサンプル/秒と非常に高い。これにより、例えばデータ伝送速度が28Gビット/秒の高速シリアル信号であれば、その基本波である14GHzの第4次高調波まで含めて捉えられ、波形を高い精度で観測することが可能だ。通信インフラ機器に使う高速シリアルトランシーバ(SERDES)や、コヒーレント光通信システム、PCI Expressをはじめとした高速シリアルインタフェースの開発に適している。

図1 図1 LabMaster 10Ziの60GHz機 ディスプレイや操作パネル、演算機能などをまとめたユニット(マスタコントロール・モジュールと呼ぶ)と、A-D変換器を内蔵した波形取り込みユニット(アクイジション・モジュールと呼ぶ)を組み合わせたシステムである(クリックで拡大)。出典:レクロイ・ジャパン

 同社従来のリアルタイムオシロは帯域幅が最大45GHz、サンプリング速度が80Gサンプル/秒で、競合他社機は最大33GHz、100Gサンプル/秒にとどまっていた。そのためこれらの既存機種では、例えば28Gビット/秒の高速シリアル信号を対象にすると、基本波の第2〜3次高調波までしか取り込めなかった。新機種では、波形の取り込みに使うA-D変換器ICをSiGe(シリコンゲルマニウム)の先端プロセスで新たに開発することで、帯域幅を広げるとともにサンプリング周波数を高めた。具体的には、A-D変換器IC単体では36GHzの帯域幅と80Gサンプル/秒のサンプリング速度を達成しており、これを2個組み合わせてインターリーブ動作させることでオシロスコープとして60GHz、160Gサンプル/秒の動作を実現した。

 今回発売したLabMaster 10Ziの主な仕様は以下の通り。帯域幅とチャネル数は、ディスプレイや操作パネル、演算機能などをまとめたユニット(マスタコントロール・モジュールと呼ぶ)と、A-D変換器を内蔵した波形取り込みユニット(アクイジション・モジュールと呼ぶ)の組み合わせによって変わる。アクイジション・モジュールは、帯域幅とサンプリング速度、チャネル数、波形メモリ容量が異なる5品種を用意した。

 例えば、帯域幅が60GHzと最も広い「LabMaster 10-60Zi」は、2チャネルを備えており、各チャネルでサンプリング速度は160Gサンプル/秒、波形メモリは40Mポイントを確保している。36GHz帯域幅の4チャネル、80Gサンプル/秒、20Mポイントのモジュールとして利用することも可能だ。最大5台を組み合わせて使用でき、60GHz、160Gサンプル/秒で最大10チャネルの波形を同時捕捉できる。ジッターノイズフロアは100fs(rms値)に抑えた。システム立ち上がり時間は5.5ps(フルスケール振幅の20〜80%において)である。

 このほか例えば帯域幅が25GHzと最も狭い「LabMaster 10-25Zi」は、4チャネル、80Gサンプル/秒、20Mポイントである。さらに、帯域幅が30GHz、36GHz、50GHzのモジュールもラインアップした。

 購入を検討する顧客向けのデモ機を2012年3月までに用意し、製品の出荷を6月末ころに開始する予定である。価格は、36GHz、4チャネルのシステム構成で3480万円(税別)。

図2 図2 周波数帯域幅をインターリーブする仕組み DBI(Digital Bandwidth Interleave)と呼ぶ独自方式で帯域幅を拡張している。入力信号を2経路に分割し、一方は低域通過フィルタを介して比較的低周波の信号のみを取り出し、もう一方は高域通過フィルタを介して比較的高周波の信号のみを抽出する。その上で、高周波側の信号は周波数変換(ダウンコンバート)を施し、低周波帯域に変換する。例えば、50GHzの入力信号を2分岐させ、フィルタでDC〜30GHzの低周波成分と30G〜50GHzの高周波成分に分けた上で、高周波側を局発信号が30GHzのミキサーで周波数変換してDC〜20GHzに落とす。こうすれば、2経路ともに36GHz帯域のA-D変換器でデジタル信号に変換可能だ。後は、高周波側の経路のA-D変換後の信号をデジタル領域で周波数変換し、低周波側の信号と結合させれば、DC〜50GHzの波形情報が得られるという仕組みである(クリックで拡大)。出典:レクロイ・ジャパン

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