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» 2012年02月28日 21時40分 UPDATE

既存光源からの置き換えを進める原動力:LED電球を駆動するフライバックコンバータの有用性 (1/4)

白熱電球などの既存光源をLED電球に置き換える動きが加速している。LED電球のように既存光源との互換性を有するLED照明を実現する上で、重要な役割を果たしているのがフライバックコンバータを用いた駆動回路である。本稿では、LED電球の駆動回路にフライバックコンバータが採用されている理由を解説するとともに、さらなる低コスト化や小型化、多機能化を目的とした開発動向を紹介する。

[Peter B. Green(International Rectifier),EDN]

互換式LED照明の駆動回路

 LED電球を使って、白熱電球やハロゲンランプ、電球型蛍光灯など既存の照明器具を置き換える動きが加速している。このように既存の照明器具との互換性を備えるLED照明(以下、互換式LED照明)の駆動回路には、フライバックトポロジを利用したDC-DCコンバータ(フライバックコンバータ)が広く利用されている。その理由は、フライバックコンバータが、LED照明と交流(AC)の電源ラインの間を絶縁することができ、多くのLED照明に求められる安全性に関する要件を満たせるからである。

 互換式LED照明は、ほとんど全ての製品で、表面積が増やすためのフィンを多数備え、置き換える元の器具の形状に合うように加工されたアルミニウム製の大きなヒートシンクが取り付けられている。これは、高輝度LED素子が点灯する際に生みだす多量の熱によって過熱して、製品寿命が短くなったりしないようにするためである。

 PCに搭載するCPUを冷却する場合、ヒートシンクとCPUパッケージ内のダイを直接接触させることによって放熱する。この場合、CPUダイとヒートシンクは熱的には接続されているが、電気的には接続されていない。一方、互換式LED照明の場合、LED素子とヒートシンクを熱的に接続するのは難しい。これは、LED素子がLEDパッケージの中に封止されているので、LED素子とヒートシンクを直接接触させられないのが最大の理由である。そこで、LED素子とヒートシンクの間を電気的に接続して熱伝導パスを形成するのが一般的な対応となる。ただし、互換式LED照明の場合、人間がヒートシンクに触れる可能性がある以上、何らかの絶縁を行わなければならない。

 もし、LED照明の電源回路として簡素な構造で済む非絶縁型の昇圧コンバータを用いるのであれば、LED素子とヒートシンクの間に絶縁シートを導入する必要がある。ただし、熱伝導効率が低下しないように絶縁シートは薄くしておかなければならず、そのために電気的な絶縁を確実に実現できないという問題が発生する。

 こうした事情から、LED照明では、絶縁型電源回路の一つであるフライバックコンバータを用いた駆動回路(以下、フライバックLEDドライバ)が広く利用されているのだ。この他、フライバックLEDドライバには、コストが安価で済むとともに、高い力率を得やすく、若干の回路を付加することでトライアック調光器に対応できる、といったメリットがある。

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