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» 2012年05月24日 18時37分 UPDATE

よく分かる! コンデンサの仕組みと働き(3):積層セラミックチップコンデンサはこうして作られる (1/4)

電子機器に使用されるコンデンサのグローバル販売数量は年間約7000億個に及び、その約80%は積層セラミックチップコンデンサが占めています。携帯電話に代表される電子機器の小型・軽量化を陰から推進してきたのも、積層セラミックチップコンデンサです。そこで今回は、一般にはあまり知られていない積層セラミックチップコンデンサの要素技術や製造技術を紹介します。

[TDK広報部,ITmedia]
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@IT MONOistで掲載された記事を転載しています



高周波特性に優れる積層セラミックチップコンデンサ

 コンデンサの最も基本的な特性は、どれだけ電荷を蓄えられるかを表す静電容量です。静電容量の単位はマイケル・ファラデー(Michael Faraday、1791〜1867年)の名にちなむF(ファラッド)で、一般的にはμF(マイクロファラッド=10-6F)、pF(ピコファラッド=10-12F)が使われます。

 従来、10μF以上の大容量コンデンサとしては電解コンデンサ(アルミ電解コンデンサやタンタル電解コンデンサ)が使われてきましたが、近年は積層セラミックチップコンデンサの大容量化が進んだことにより、置換が可能になりました。

 また、アルミ電解コンデンサはESR(等価直列抵抗)が大きいために、約100kHz以上の高周波領域で使用すると、自己発熱して損失が大きくなります。これに対して、積層セラミックチップコンデンサは高周波領域でも良好な特性が得られるのが特長です。例えば、高周波化が進むパソコンなどのデジタル機器では、ICやLSIの負荷変動が問題となりますが、これを解決するために低ESRを持ち味とする積層セラミックチップコンデンサがデカップリングコンデンサとして盛んに使われるようになっています。

 必要な諸特性をバランスよく有し、長寿命で信頼性が高く、量産化や小型化にも有利であるため、積層セラミックチップコンデンサは今日のコンデンサの主流の座を占めるようになったのです。

 積層セラミックチップコンデンサには、用いられる誘電体の違いにより、低誘電率系(種類?)と高誘電率系(種類?)があります。低誘電率系はあまり大容量は望めませんが、温度による容量変化が小さいために温度補償用とも呼ばれ、高周波回路やフィルタ回路などに用いられます。ここでは生産数で圧倒的に多い高誘電率系の積層セラミックチップコンデンサを中心に解説します。

図1 周波数に応じた各種コンデンサの使い分け 図1 周波数に応じた各種コンデンサの使い分け
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