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1200V耐圧のSiC JFET、太陽光発電のパワーコンディショナーなどに向くInfineon CoolSiC

Infineon Technologiesが開発したJFET「CoolSiC 1200V JFET」は、SiC(シリコンカーバイド)を利用したため耐圧が1200Vと高く、オン抵抗は35mΩと小さい。ノーマリーオフ動作を実現するドライバICと併せて製品化する。

» 2012年05月25日 10時00分 公開
[EDN Japan]

 Infineon Technologiesは、2012年5月、SiC(炭化ケイ素、シリコンカーバイド)を利用したJFET(接合型FET)として同社初の「CoolSiC 1200V JFET」ファミリを発表した。太陽光発電システム向けのパワーコンディショナー(インバータ)やUPS(無停電電源装置)、産業用モーターに向くという。

 半導体材料としてSi(シリコン)ではなくSiCを利用したことで、スイッチング損失を低減できた。スイッチング損失はトランジスタのキャパシタンスに依存するが、これをSiC採用により低く抑えられることによる。そのため、スイッチング周波数を高めて、インバータなどを小型軽量化できる他、機器のサイズを維持しながら出力を高めることもできる。


 CoolSiC 1200V JFETファミリは、耐圧が1200Vであり、オン抵抗や供給形態が異なる6品種がある。TO-247パッケージに封止した品種は、オン抵抗が35mΩと最も小さい「IJW120R035T1」から、100mΩの「IJW120R100T1」まで4品種を用意した。他に、ベアダイ供給の70mオーム品「IJC120R070T1」と100mΩ品「IJC120R100T1」の2品種がある。

 CoolSiC 1200V JFETファミリは、酸化膜を用いないJFET構造を採るため、ゲート電圧が0Vでもドレイン電流が流れるノーマリーオン動作をとる。そこで、ノーマリーオフ動作が必要なアプリケーション向けに、専用ドライバIC「1EDI30J12CL/CP」を用意した。ノーマリーオンのSiC JFETに、起動時やシステム故障時にオフ状態を作り出すための低電圧シリコンMOSFETを外付けしておき、両者をこのドライバICが制御する仕組みだ。なお、CoolSiC 1200V JFETファミリは、ボディダイオードを集積しているため、外部にSiCショットキーバリアダイオードなどを接続する必要はない。

 2012年第2四半期からドライバICと併せてサンプル出荷を開始する予定。価格は、例えばTO-247封止の100mオーム品が24.9米ドルである(1000個購入時の単価)。


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