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カーレースでも衝撃検知に活用、帯域幅が1600Hzの3軸加速度センサーADI ADXL377

「ADXL377」は、検出範囲が±200g、帯域幅が1600Hzの3軸加速度センサーである。産業機器向けを狙うが、コンタクトスポーツなどにおいて、身体に加わった激しい衝撃を検出し、外傷性脳損傷の兆候を捉えるといった用途も想定している。

» 2012年05月29日 12時18分 公開
[EDN Japan]

 アナログ・デバイセズは2012年5月、産業機器向けにアナログの3軸MEMS加速度センサー「ADXL377」を発表した。検出範囲は±200g。1600Hzという広い帯域幅を実現している。ADXL377を1個用いるだけで3軸の加速度成分を検出することができるので、1軸加速度センサーを複数個用いる場合に比べて設計を簡素化できる。ボード面積も、1軸加速度センサーを複数個搭載する一般的なケースに比べて約1/5ほどに削減できるとしている。ADXL377は現在サンプル出荷中で、量産開始は2012年9月から。1000個購入時の単価は4.79米ドルとなっている。

 その他の主な仕様は、電源電圧範囲が1.8〜3.6V。消費電流は標準値で300μA。1万gの耐衝撃性を備える。パッケージは、外形寸法が3×3×1.45mmの16端子LFCSPを採用している。

「ADXL377」 「ADXL377」(クリックで拡大)

 ADXL377は、対戦相手とぶつかり合うことがあるコンタクトスポーツなどにおいて、身体に加わった激しい衝撃を検出し、外傷性脳損傷(TBI:Traumatic Brain Injury)の兆候を捉えるといった用途も想定している。実際に、米国のカーレーシング「2012 IZOD インディカー・シリーズ」のドライバー衝突安全システムに採用された。ドライバーが装着する連絡用イヤフォンにADXL377を搭載することで、練習中やレース中に衝突が起きた際、ドライバーにどれくらいの衝撃が加わったのかを、より正確に測定できるという。これまで、衝撃や振動を正確に測定するためには、片方の耳に3個のICを取り付けなければならなかった。ADXL377は、1個で同じデータを取得することができる。

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