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タブレットでもサラウンドサウンドを楽しめる、日本TIがオーディオICなどを展示TECHNO-FRONTIER 2012 電源設計

日本TIは、マルチチャネルのスピーカでサラウンドサウンドを簡単に実現できるオーディオICなどを展示した。電源関連の製品については、2011年に買収が完了した旧ナショナル セミコンダクターのラインアップも含めた豊富な製品が並んだ。

» 2012年07月17日 13時25分 公開
[村尾麻悠子,EDN Japan]

 日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、「TECHNO-FRONTIER 2012(テクノフロンティア2012)」(2012年7月11〜13日、東京ビッグサイト)で、LEDドライバICやDC-DCコンバータ、パワーMOSFET、オーディオICなどを展示した。

 図1は、4チャネルのD級アンプに音響DSPやA-Dコンバータなどを混載したオーディオ用IC「LM48901」を搭載したタブレット端末である。LM48901は、サラウンドサウンドを作り出すのに必要なHRTF(Head Related Transfer Function:頭部伝達関数)が、あらかじめDSPに書き込まれているので、ステレオスピーカと組み合わせるだけで、容易にサラウンドサウンドを実現できる。また、このオーディオICのユーザーはHRTFのIP(Intellectual Property)を別途購入する必要がなく、低価格でサラウンドサウンドシステムを構成できることも大きなメリットだという。タブレット端末の他、ドッキングステーション、ノートPC、車載オーディオシステムといった用途を想定している。

photo 図1 タブレット端末への搭載を想定した「LM48901」のデモ

 図2は、同社が「NexFET パワーブロック」と呼んで提供するパワーMOSFETの1品種「CSD87350Q5D」である。NexFET パワーブロックは、単一のパッケージ内に2個のパワーMOSFET素子「NexFET」を搭載した製品だ。最大の特長は、ハイサイド側のMOSFETとローサイド側のMOSFETが、サイドバイサイドで水平に並んでいるのではなく、スタック型で縦方向に重ねて接続されている点である。スタック型にすることで、2つのMOSFETを水平に並べる構造に比べて、パッケージとチップ間のワイヤーボンディングを短くできオン抵抗を低く抑えられる上、インダクタンスも小さくなるという利点がある。

photo 図2 「CSD87350Q5D」を搭載した評価ボード

 図3は、POL(Point of Load)向けDC-DCコンバータファミリを搭載した評価ボードと、同ファミリの製品概要である。「SIMPLE SWITCHER」は、旧ナショナル セミコンダクターのDC-DCコンバータだ。図3右側の写真から分かるように、SIMPLE SWITCHERは、最大入力電圧が42Vや100Vなど、比較的高い品種がそろっていた。一方、日本TIのDC-DCコンバータファミリである「SWIFT」は、最大入力電圧が20Vや20V以下などの製品ラインアップが充実していた。日本TIの担当者は、「SIMPLE SWITCHERとSWIFTの両方を提供することで、低い入力電圧から高い入力電圧まで対応できることになる」と述べている。

photophoto 図3 左側の写真は評価ボード、右側はDC-DCコンバータファミリの製品概要(クリックで拡大)

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