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» 2012年10月22日 16時27分 UPDATE

FTF Japan 2012:フリースケールのスマートエネルギー向け新製品群、電力計測と無線接続に対応

スマートメーター用に最適化した電力計測用マイコン群「Kinetis KM3xシリーズ」と、無線トランシーバを集積した通信処理マイコン群「Kinetis KW01シリーズ」である。さらに、MAN(Metropolitan Area Network)領域のスマートエネルギーアプリケーションに向けた開発キット「TWR-METRO-KIT-NA/JA」も用意した。

[薩川格広,EDN Japan]

 Freescale Semiconductor(フリースケールセミコンダクター)は、東京都内で開催中のユーザー向けイベント「Freescale Technology Forum(FTF)Japan 2012」(2012年10月22〜23日)において、スマートエネルギー市場に向けた新製品群を一挙に発表した。スマートグリッドの重要な構成要素である高機能電力計(いわゆるスマートメーター)に最適化した、電力計測用マイコン群「Kinetis KM3xシリーズ」と、無線トランシーバを集積した通信処理マイコン群「Kinetis KW01シリーズ」である。さらに、MAN(Metropolitan Area Network)領域のスマートエネルギーアプリケーションに向けた開発キット「TWR-METRO-KIT-NA/JA」も用意する。

ns_FTF_Smartenergy_Fig01.jpg Freescale Semiconductorでメータリング、メディカル&コネクティビティ・ビジネスのディレクターを務めるBruno Baylac氏

 同社はスマートメーターの導入期をスマートグリッド市場の「第1フェーズ」と捉えており、その後、宅内電力管理システム(HEMS:Home Energy Management System)が普及する「第2フェーズ」に進むとみている。第1フェーズについては、「今まさに、かなり大きな規模で立ち上がり始めたところだ」(同社でメータリング、メディカル&コネクティビティ・ビジネスのディレクターを務めるBruno Baylac氏)としており、「米国ではスマートメーターの出荷数量が2011年に1500万個でピーク値を記録した。日本でも東京電力が今後10年間のうちに総数2700万個におよぶスマートメーターを導入すると表明(参考記事)している。スペインや英国、フランスでも、2013年に導入が始まるところだ」(同氏)と状況を説明した。

ns_FTF_Smartenergy_Fig02.jpgns_FTF_Smartenergy_Fig03.jpg 左はスマートグリッド市場の「第1フェーズ」、右は「第2フェーズ」である。 (クリックで画像を拡大)

 今回発表した新製品群は、この第1フェーズと第2フェーズの両方を視野に入れている。

 電力計測用マイコン群のKinetis KM3xシリーズは、ARMの低消費電力CPUコア「Cortex-M0+」を採用した。動作周波数は最大50MHzで、100μA/MHzと低い消費電流で動作する。

 電力計測用のアナログフロントエンド(AFE)として、24ビットΔΣ型A-D変換器を4チャネル集積した。そのうち2チャネル分については、前段に低ノイズのプログラマブル利得アンプ(PGA)を搭載する。94dBのSN比を達成でき、CPUコアによる電力計算で0.1%の精度が得られるという。内蔵メモリの容量は、フラッシュメモリが最大128Kバイト、SRAMが16Kバイトである。既にサンプル出荷を始めている。

ns_FTF_Smartenergy_Fig04.jpg スマートメーターに必要な機能を1チップに統合した。 (クリックで画像を拡大)

 無線トランシーバを集積した通信処理マイコン群のKinetis KW01シリーズは、48MHz動作のCortex-M0+コアを採用し、128Kバイトのフラッシュメモリと16KバイトのSRAMを内蔵する。

 国や地域ごとに仕様が異なるスマートメーターの無線通信規格に対応可能だ。具体的には、無線信号の周波数帯域については外付けする水晶発振器の品種を変えることで290〜340MHz、424〜510MHz、862〜1020MHzのいずれにも対応でき、変調方式についてはCPUコアで処理するプロトコルスタックによってFSK、GFSK、MSK、GMSK、OOKに対応できる。

 データ伝送速度は最大600kビット/秒が得られるという。受信感度は最大−120dBm(1.2kビット/秒時)。送信出力電力は−18〜+17dBmの範囲で1dB刻みで設定可能だ。「1kmの無線通距離を確保できるので、スマートメーターとコンセントレータ(データ集約機)の間をつなぐ用途にも使える」(Baylac氏)。消費電流は、受信時が16mA、送信時が20mA(出力電力が0dBmの時)。スタンバイモードに切り替えれば、消費電流を1.7μAまで低減できる。

 2012年第4四半期にサンプル出荷を開始し、2013年第1四半期に量産を始める予定である。

ns_FTF_Smartenergy_Fig05.jpg サブGHz帯の各種無線通信規格に対応可能なトランシーバLSIである。 (クリックで画像を拡大)

 MANアプリケーション向けの開発キットであるTWR-METRO-KIT-NA/JAは、無線センサーネットワーク技術を手掛ける米国のNivisと協業して提供する。このキットに含まれるハードウェアは、Freescaleのマイコンと無線トランシーバLSIを搭載した電池駆動の小型ワイヤレスノードが2個、同社のQorIQアーキテクチャに基づく通信処理プロセッサを内蔵したPC接続用のワイヤレスエッジルータが1個である。

 ソフトウェアとしては、Nivisが開発した各種通信規格のプロトコルスタックが付属する。具体的には、IPv6の他、IETF(Internet Engineering Task Force)が策定する「6LoWPAN(IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks)」や、IEEE 802.15.4g/eなどに対応するという。「スマートメーターに加えて、街路灯の制御などを統合するMANアプリケーションの市場投入を加速するターンキー型のソリューションだ。日本の他、北米や欧州の市場にそのまま導入できるようにあらかじめ認証を取得しており、各地域の無線規格も満たしている。このキットを使えば、開発期間を数年単位で短縮することが可能だ」(同氏)。

 2012年11月末までに出荷を始める予定。参考価格は800米ドルである。

ns_FTF_Smartenergy_Fig06.jpg MAN領域のアプリケーションに向けた開発キットである。 (クリックで画像を拡大)

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