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» 2013年03月11日 07時30分 UPDATE

マイコン入門!! 必携用語集(1):そもそも“マイコン”って何? (1/5)

マイコンを使いこなすために知っておくべき基本用語を毎回1つずつ取り上げて解説する新連載がスタート!! 第1回目の今回は、「そもそも“マイコン”って何?」という問い掛けから、マイコンの実態や応用分野、具体的な働きについて紹介します。

[菅井 賢,STマイクロエレクトロニクス]

 読者の皆さん、初めまして。筆者は半導体メーカーでマイコン製品の技術サポートを担当しているエンジニアです。新連載「マイコン入門!! 必携用語集」の第1回目をお届けします。この連載は、これからマイコンを使い始めたいという方に向けて、知っておきたい基本的な用語を毎回1つずつ取り上げて解説していきます。

 初学者に読んでいただけるように平易な説明を心掛けるとともに、既にマイコンを使いこなしているという方にとっても、「そういえばこれってどういう意味?」「そもそも、なんでこうなっているの?」という素朴な疑問に対する答えを提供できるように努めます。今回の記事中に緑色で示したキーワードをはじめ、マイコンを使いこなす際に欠かせない用語を紹介していきますので、どうぞご期待ください!!

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 筆者はこの連載を始めるに当たり、実際にマイコンを使っているユーザーや、マイコンの技術サポートに従事するアプリケーションエンジニア、マイコンメーカーのエンジニアなど、いろんな方に「日ごろマイコンについて疑問に思っていること」を聞いてみました。すると、「そもそも“マイコン”って何?」という疑問に行きつきました。

 そうです、“マイコン”ってそもそも何なんでしょう?

 言葉としては、「マイ○○○コン○○○」を短くした略称ですね。ただ、その定義は1つに決まっているわけではありません。「マイクロコンピュータ(microcomputer)」だったり、「マイクロコントローラ(microcontroller)」だったり、だいぶ昔にマイコンに携わっていた方だと「マイ(my)コンピュータ」の略だと捉えたりしています。人によってそれぞれ違った解釈をしているわけです。

 話が少し横道にそれますが、マイコンという言葉は和製英語です。海外の方に「マイコン」と言っても理解してくれません(日本のマイコン事情に詳しい方は別ですが)。筆者も、マイコンの仕事で初めて海外の方と話をしたときに通じなかったことを覚えています。「micro」または略さずに「microcomputer」「microcontroller」と言わなければ、分かってもらえませんでした。

マイコンの起源は電卓用IC

 では本題に戻り、あらためて“マイコン”って何でしょう?

 マイコンとは、さまざまな電気製品の中で、その構成要素である電気的な回路や機械的な部分を制御する半導体チップです。人間の器官に例えれば、頭脳に相当すると言えるでしょう。プログラムを与えると、それに沿ってさまざまな制御方法や演算を実現できるようになります。

 マイコンの起源は、電卓用のICでした。高性能な電卓をいかに少ない部品で作るかという課題に取り組む中で開発が進み、発展しました。従って、マイコンのもともとの目的は計算を実行することでした。しかし、マイコンに要求される機能は年々増えていきました。そして現代では、計算の他にも、いろいろと便利な機能が搭載されるようになっています。詳しくは後ほど説明しますが、身近なところでは以下のような電気製品にマイコンは使われています。

  • 炊飯器やテレビでは、予約した時間に動作するようにタイマー機能を担う。
  • リモコンでは、機器を操作するための赤外線信号を作り出す。
  • 電池で動作する携帯機器では、電池の残量を測って表示する。
  • 時計の表示も、マイコンに搭載されている機能で実現する。
  • ボタンが押されると、そのボタンの機能に従って所定の動作を実行する。
  • USBインタフェース経由でPCとデータをやりとりする。

 マイコンで実現できるこれらの機能は、プログラムによって組み立てられています。そのプログラムはマイコンのユーザーが考えて作るものです。例えば、「1時間後に炊飯器のスイッチを入れて、炊飯をスタートさせたい」ときは、ユーザーがそのようなプログラムを作れば、マイコンはプロラグラム通りに動作し、タイマーの機能を実行します。言い換えると、マイコンはプログラムに従って動作するものですから、ユーザーはプログラムを記述するという作業を通してマイコンを使いこなすことになります。

 このように電気製品(PCを含む)が発達し、その進化に応じてマイコンにも新機能が要求されるようになりました。その結果、電卓用ICとして誕生したマイコンは、高機能を持つ汎用コントローラという現在のような形に発展してきました。そしてソフトウェアプログラムという柔軟性の高い方法で制御され、さまざまな電気製品に使われるようになりました。

 最近の電気製品には、必ずと言ってよいほどマイコンが使われています。

 そうした電気製品を分解してみると、プリント基板と呼ばれる電気回路に黒いチップが実装されています。これがマイコンです。マイコンの形状にはこれ以外にもいろいろあります。

 最近では、雑誌やインターネットの記事で、新しい電気製品(携帯電話機やタブレット端末、ゲーム機など)を分解して、内部にどんなマイコンが使われているかを調べた記事が多く見受けられます。自分で電気製品を分解しなくても、このような記事を参考にすれば、実際にどんな機器にどんなマイコンが使われているかが分かります。

実際のマイコン 実際のマイコン (クリックで画像を拡大)
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