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» 2013年06月07日 11時18分 UPDATE

Design Ideas 計測とテスト:1cm〜20cmに対応できる赤外線距離測定器

商品として入手可能な赤外線(IR)利用の距離測定器は通常、3インチ(7.62cm)〜30インチ(76.2cm)の距離を検出できる。これより短い距離は検出できないことが多いが、今回は1cm〜約20cmの測定範囲を実現できるアイデアを紹介する。

[Paul Florian,米テキサス州]

 商品として入手可能な赤外線(IR)利用の距離測定器は通常、3インチ(7.62cm)〜30インチ(76.2cm)の距離を検出できる。これより短い距離は検出できないことが多い。

 図1は、反射性表面を有する物体までの短い距離を測定する回路である。平坦な白色表面の場合、測定範囲は1cm〜約20cmである。この回路の出力は、コネクターP1へのアクティブ・ハイ(ハイレベルのときに有効になる)のパルス信号として得られる。パルス信号の幅は12msと短い。すなわち出力信号の周波数は約25Hzである。これが測定可能な最小距離に相当する。回路が反射光を検出できなければコネクターP1の出力はハイレベルのままである。

mm130607_di1.jpg 図1 短距離向け赤外線距離測定回路
一般的に販売されている赤外線(IR)利用の距離測定器に比べて、短い距離の測定を可能にする回路である。IC1は、米Texas Instruments社のデュアル・オペアンプIC「TLV2252IP」、IC2は米National Semiconductor社のタイマーIC「LM555CN」、IC3は浜松ホトニクスの光変調型フォトIC「S6846」、D2は米Lumex社の赤外線LED「OED-EL-IL2」。

 IC1Aは0.1mA出力の電流源である。この電流源はC1を充電し、直線的なランプ電圧を生成する。40msごとにIC2の出力OUTはローレベルに切り替わる。その際にD1を介してC1を放電する。IC1BとQ1は、C1の電圧バッファーとして働く。Q1は、赤外線発光ダイオード(LED)D2の電流を0mAから60mAにランプ・アップする。IC3は、同期検出型のフォトICである。IC3がD2の反射光を検出すると、IC3の出力はローレベルに切り替わる。

 短い距離を測定する場合は、それほど多くの電流を赤外線LEDに供給する必要がない。このため出力信号のパルス幅は短くなる。長い距離を測定する場合は、大きな電流が必要となり、それに従いパルス幅は長くなる。最大パルス幅は常に40msである。出力信号のパルス幅は、反射物の表面の色や、D2とIC3の調整にも依存する。

 D2とIC3の間隔は0.5インチ(1.27cm)に設定した。D2側は、熱収縮性チューブで遮蔽しておく。回路を調整するために、D2とIC3を実装する際には、各部品のリード線を少しだけ余分に残しておくとよい。その後、反射表面までの距離に対するパルス幅が最小になるように出力信号を監視し、最小になる場所でこれらの部品のリード線を曲げる。注意深く調節すれば、フラットな白色表面の場合、検出距離を20cmにできる。表面が白くない場合は、検出距離は短くなる。


Design Ideas〜回路設計アイデア集

【アナログ機能回路】:フィルタ回路や発振回路、センサー回路など

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【ディスプレイとドライバ】:LEDの制御、活用法など

【計測とテスト】:簡易テスターの設計例、旧式の計測装置の有効な活用法など

【信号源とパルス処理】:その他のユニークな回路




※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事の中から200本を厳選し、5つのカテゴリに分けて収録した。

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