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解決策を具体的にアドバイス、富士通のEMC設計ルールチェックシステムTECHNO-FRONTIER 2013 ソフトウェア/設計環境

富士通アドバンストテクノロジが「TECHNO-FRONTIER 2013」(テクノフロンティア2013)で展示したEMC設計ルールチェックシステムは、基板の設計にEMCルール上の問題がないかどうかをチェックするだけでなく、「抵抗を追加」「ドライバを変更」といった具体的な対策をアドバイスしてくれる。「特に初心者に優しい機能」(同社)とする。

» 2013年07月26日 17時55分 公開
[村尾麻悠子,EDN Japan]

 富士通アドバンストテクノロジの「SignalAdviser-EMC」は、高速伝送基板が、EMI(電磁干渉)/ESD(静電気放電)設計ルールに沿って設計されているかを検証するツールである。モバイル機器からサーバ機器まで、幅広く対応している。

 基板レイアウトCADの設計データをそのまま取り込み、それを検証できるのは一般的だが、SignalAdviser-EMCの特徴は、設計ルールのチェック項目数が他社品に比べて多いことだという。さらに、検証した後に問題がある場合、「抵抗を追加してください」「駆動能力の弱いドライバに変更してください」といった対策が表示される。

「SignalAdviser-EMC」の解析画面(左)。設計ルールを検証し、問題がある箇所はバツ印で示される(中央)。右は、対策が表示されているところ(クリックで拡大)

 SignalAdviser-EMCでは、チェック項目と対策をリポートとして出力できる。「ありそうでなかった機能。レイアウト設計と回路設計は、アウトソースなどで別々の人間が行うことも多い。対策の方法を選択したり、対策を施す箇所を決めたりするために、リポート形式になっていると便利だという声をよく聞く」(富士通アドバンストテクノロジ)。

 SignalAdviser-EMCの他、伝送路のシグナル検証や、ノイズ対策のための配線パターンの検証を行う「SignalAdviser-SI」と、電源ノイズの解析を行う「SignalAdviser-PI」がある。

解析ツールや開発データをクラウドに載せる

 富士通アドバンストテクノロジはこの他、「エンジニアリングクラウド」のデモも展示した。富士通のクラウド基盤と、仮想デスクトップ高速表示技術である「RVEC(レベック)」を使用して構築するプライベートクラウドだ。クラウド基盤は、自社のものを使用してもよい。

 エンジニアリングクラウドでは、データセンター上に仮想デスクトップを設置し、その仮想デスクトップ上で3次元CAD/CAEなどの操作を行う。結果データのみが、RVECで圧縮、送信され、クライアント端末の画面に表示される仕組みだ。

 富士通アドバンテストテクノロジの担当者は、「3次元CADの操作に伴う処理は仮想デスクトップの方で行うので、クライアント側に高スペックの端末を用意する必要がなくなる。また、設計データをサーバで一元管理することでデータの流出も防げるので、セキュリティも強化できる」と述べている。

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