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» 2013年08月05日 19時40分 UPDATE

リニアテクノロジー LTC3330:「2つの発電素子+電池」の3入力に対応したエネルギーハーベスト用電源IC

リニアテクノロジーは、2つの発電素子の入力と電池入力という合計3つの入力に対応したエネルギーハーベスト(環境発電)向け昇降圧型DC-DCコンバータIC「LTC3330」を発売した。

[EDN Japan]
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 リニアテクノロジーは2013年8月5日、2つの発電素子からの入力に対応し、環境発電素子からの電力が低下した場合には電池からの入力に切り替え出力するエネルギーハーベスト(環境発電)向け昇降圧型DC-DCコンバータIC「LTC3330」を発売した。同社は、「発電量が微小で不安定な環境発電を使いながらも、安定した電力供給を続けられる電源回路を構築できるIC。新製品が、環境発電の本格普及の起爆剤になれば」と期待を寄せる。

「環境発電の本格普及の起爆剤」

tt130805LTC001.jpg エネルギーハーベスト(環境発電)向け昇降圧型DC-DCコンバータIC「LTC3330」

 LTC3330の最大の特徴は、同時に2つの発電素子からの電力を降圧できる点にある。従来の環境発電システム向けのDC-DCコンバータは、1つの発電素子からの入力電力を後段のマイコンや無線用ICを動作させるための電力に変換し出力する「1入力/1出力」の製品がほとんどだった。

 「環境発電素子はどれも発電量が小さい上、出力も不安定だ。こういった特性を持つ環境発電を実際の機器に搭載するには、課題が多かった。そこで、より大きな電力を継続的に得られるよう2つの発電素子に対応するDC-DCコンバータの製品化に至った」と製品化の狙いを同社は説明する。

DC入力だけでなくAC入力もOK

 環境発電素子からの入力部には、それぞれ整流ダイオードを搭載し、DC入力だけでなく、AC入力にも対応可能。そのため、DC出力の光発電素子や熱電対、AC出力の圧電素子や磁気素子といった多様な発電素子を接続できる。「光発電デバイスと圧電素子を組み合わせて、光がないときにでも電力を確保できるシステムも構築できる」(同社)という。入力電圧範囲は3〜19Vで、1.2〜5Vの範囲で降圧出力できる。出力電流は最大50mA。

tt130805LTC002.jpg 「LTC3330」の応用回路例 出典:リニアテクノロジー

 LTC3330は、2つの環境発電素子用入力とは別に、1.8〜5.5VのDC入力に対応する3つ目の入力を備える。この3つ目の入力は、一次電池ないし二次電池との接続を想定。2つの環境発電素子からの電力が低下した場合に、自動的に3つ目の入力からの電力を1.2〜5Vの範囲で昇降圧変換し出力する機能を備える。環境発電素子を使ったシステムでは、補助電源として電池を使用するケースは多いが、「1個の環境発電向けDC-DCコンバータで、発電素子入力と電池入力に対応し、切り替えられる製品はこれまでほとんどなかった」(同社)という。発電素子から負荷に電力を供給する場合、電池の静止電流はゼロで、「環境発電素子が、発電を続ける限り、電池を消耗することなく、長期間電池交換する必要もない」(同社)。

 さらにLTC3330は、出力電力をスーパーキャパシタなどに蓄電するためのセルバランシング機能も搭載。リニアテクノロジーは、「環境発電を応用しながらも、確実に電力供給を継続できるシステムをより簡単に構築できる。これまで、電力供給が不安定で実用的ではなかった環境発電がより、実用的に使えるようになるはず」とする。

効率は「高い水準を維持」

 無負荷時に電池から電力が供給される場合の静止電流は750nAと小さく、変換効率も「1入力1出力タイプの当社従来製品と変わりなく、高い水準を維持している」としている。

 パッケージは、5mm角サイズの32ピンQFNパッケージを採用。価格は1000個購入時、3.90米ドルからとなっている。

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