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冷却ファンの“うなり音”が減らせる8ビットマイコンラピス ML610Q101/ML610Q102

ラピスセミコンダクタは、発振回路の精度を従来品比2倍に高めた8ビットマイコン「ML610Q101/ML610Q102」を発表した。複数の冷却ファンの回転数を高精度に制御できるため、ファンの回転数のバラツキから生じる“うなり音”を抑制できる。

» 2013年08月08日 15時45分 公開
[EDN Japan]

 ロームグループのラピスセミコンダクタ(以下、ラピス)は2013年8月、発振回路の精度を従来品比2倍に高めた8ビットマイコン「ML610Q101/ML610Q102」を発表した。複数の冷却ファンの回転数を高精度に制御できるため、ファンの回転数のバラツキから生じる“うなり音”を抑制できるという。


高精度発振回路を内蔵した8ビットマイコン「ML610Q101/ML610Q102」

 新製品は、ロームが持つモーター制御技術をベースに、主に単相ファンモーターの回転制御用マイコンとして開発。ロジック電源用レギュレータと内蔵発振回路を新たに開発することで、「業界トップクラスの、従来比2倍となる高精度発振を実現した」(ラピス)という。発振精度は、発振周波数8.192MHzで25℃時±1%、−10〜85℃範囲では±2%となっている。

 PCやサーバなどの冷却ファンなどに用いられる単相ファンモーターの回転制御に使うことにより、回転バラツキを低減できる。また内蔵するさまざまなタイマーを活用して、モーターコイルへの電流を滑らかに増減させてモーターコイルから発生する電磁音を抑制し、効率を高める「ソフトスイッチング通電」が行え、ファンの静音化と高効率化を実現できる。磁界に比例した電圧を発生するホール素子の微小信号を検知する回路である「ヒステリシス差動コンパレータ」を搭載しているため、ホール素子の使用にも対応している。

サーバで冷却ファンの“うなり音”を抑えるイメージ (クリックで拡大) 出典:ラピスセミコンダクタ

 パッケージは、5×4.4mmサイズの16ピンSSOPと4mm角サイズの16ピンWQFNの2種がある。内蔵するロジック電源用レギュレータは、外付けのコンデンサ/インダクタの必要がなく、「実装基板の小型化が実現できる」という。

 小型化、薄型化の進むPCでは、冷却ファンの小型化要求が強い。発熱が大きいサーバでも、複数の冷却ファンが使用されるため、小型化が求められている。加えて、冷却ファンを複数使用した場合、各ファンの回転数にバラツキがあると、ファンから発生する風邪きり音の周波数の違いで、うなり音が発生する。また、モーターコイルの電流制御でオン/オフの電流変動が大きければ、耳障りな電磁音が生じるといった課題があった。

 新製品のサンプル価格は、内蔵フラッシュ容量が4KBのML610Q101、同6KBのML610Q102ともに100円となっている。両製品ともサンプル出荷中で、量産開始時期はML610Q101が2013年9月、ML610Q102が2013年10月を予定している。いずれも高いノイズ耐性(IEC61000-4-2ノイズテストにて±30KVクリア)で、「産業機器などノイズ環境の厳しい用途にも安心して使用できる」(ラピス)としている。

「ML610Q101/ML610Q102」の特徴 (クリックで拡大) 出典:ラピスセミコンダクタ

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