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» 2013年10月16日 07時00分 UPDATE

パワー半導体技術:IGBTの耐久性の定量化 (1/4)

IGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)は絶対に破壊されないわけではなく、適切な対策を実施しない場合は寿命が縮まる可能性があります。ただ、IGBTの実際の耐久性を正確に評価し、デバイスの信頼性がどの点でも低下しないことを保証するための対策があります。ここではその対策について紹介します。

[Allan Ball,オン・セミオコンダクター IGBTアプリケーション・エンジニアリング・マネージャ]
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 IGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)とは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)の持つ電圧特性を、MOSFETのドライブ能力と組み合わせた、4層構造の半導体デバイスです。このような製品が市場に登場したのは1980年代半ばから後半にかけてであり、それ以来、電気自動車、スイッチング・モード電源、ソーラー・インバータ、家庭電化製品など高電力の電子システム内で効率的な電力変換を行う上で重要な役割を果たしています。このような性質のアプリケーションでは、多くの場合、過度の高温や電圧スパイクが関係する過酷な動作環境と、高いスイッチング速度など厳格な性能要件が発生するので、IGBTと他の構成部品にも大きな負荷がかかります。

 以下の記事では、IGBTの耐久性を判定する方法に着目し説明します。このような事項に関する総合的な知識を習得することにより、技術者は、より堅牢でより故障が少なく寿命の長いシステム設計を実施できるようになります。

主な耐久性の指標

 IGBTの採用率が高くなった主な理由は、IGBTがMOSFETに匹敵するスイッチング能力を達成すると同時に、より高い電圧への耐性を備えていることにあります。ただし、IGBTは困難なアプリケーション設定の下でも絶対に破壊されないわけではなく、適切な対策を実施しない場合は寿命が縮まる可能性もあります。IGBTの実際の耐久性を正確に評価し、デバイスの信頼性がどの点でも低下しないことを保証するために実施できるさまざまな対策があります。これらの対策は、デバイスの動作に関する特定の側面を対象とし、各対策の分野から得られたデータを組み合わせると、IGBTの全体的な回復能力を判定し、目的のアプリケーションに対する適応性を評価することができます。

 対策は、以下3つのパラメータを対象とする総合的なテストを実施することです。

  • 短絡定格
  • 非クランプ誘導性スイッチング(UIS)定格
  • VGE定格

 では、各パラメータのテスト方法を見ていきます。

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