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マイコンが港で行う仕事とは? 「入出力ポート」マイコン入門!! 必携用語集(9)(2/3 ページ)

» 2013年11月20日 11時00分 公開
[菅井 賢,STマイクロエレクトロニクス]

入力特性

 GPIOに入力される信号は、実際の回路においては電気信号ですので、何ボルト以下が0で、何ボルト以上が1になるかを知っておかないと、押しボタンスイッチの回路は作れません。マイコンのようなデジタル論理回路で0と1の2値の境をきめる値を「閾(しきい)値」(Threshold:スレシュホールド/スレショルド)といいます。マイコンの内部回路ではCMOSで信号を受け取りますので、CMOSを構成するPMOSとNMOSがオン/オフする電圧値が閾値になります。

 図3を見てください。

【図3】通常の閾(しきい)値のイメージ (クリックで拡大)

 GPIOの入力電圧レベルをGNDレベル(0V)から、徐々に高くし、電源レベルに至ったら、徐々に低くしていきます。GPIOは、入力電圧を最初0として認識していますが、ある電圧より高くなると1と認識するようになります。この境目の電圧が閾値電圧です。さらに、電圧が下がってきて、再び同じ電圧値に達すると、再び0と認識します。

 一方、ノイズが入っても安定動作できるように、閾値を2つ持つGPIOもあります。

0から1へ変化するの閾値と、1から0へ変化する閾値を異なるようにしたものを「シュミットトリガ特性」といいます。

 図4を見てください。

【図4】シュミットトリガ特性を利用した閾(しきい)値のイメージ (クリックで拡大)

 図3の場合と異なる点は、1から0へ変化する閾値と0から1へ変化する閾値が異なっているという点です。この2つの点の電圧差を「ヒステリシス特性(電圧)」と呼びます。

 一度、1または0と認識したら、ノイズが入ってきても、その電圧の振れ幅がヒステリシス特性内に入っていれば、GPIOの認識する値(0/1)は変化しません。すなわち、ノイズに強いといえます。

 リセット端子とか割り込み端子とか通信のクロック信号などで、ノイズ(電圧変動、チャタリングなど)による誤動作を防止するために用いられています。

 入力特性の呼び名も各マイコンで異なりますが、一般的にHの閾値はVIH、Lの閾値をVILと呼んでいます。

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