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» 2013年11月22日 11時45分 UPDATE

マイクロチップ PIC32MZファミリ:MIPS microAptivコア採用で性能3倍に、マイクロチップの新型32ビットMCU

マイクロチップ・テクノロジーの「PIC32MZ EC(Embedded Connectivity)」ファミリは、同社従来品に比べ約3倍の演算性能を実現しつつ、競合製品に比べコード密度を30%向上した32ビットマイクロコントローラ(MCU)である。民生用オーディオやFAシステム、ビル制御システム、車載電子システム、セキュリティ機器など、幅広い用途に向ける。

[馬本隆綱,EDN Japan]
PIC32MZ ECファミリの外観

 マイクロチップ・テクノロジー(以下、マイクロチップ)は2013年11月20日、同社従来品に比べ約3倍の演算性能を実現しつつ、競合製品に比べコード密度を30%向上した32ビットマイクロコントローラ(MCU)「PIC32MZ EC(Embedded Connectivity)」ファミリを発表した。新製品は合計24製品で、2013年12月に12製品の出荷を開始する。残りの12製品も2014年5月までに順次出荷を始める予定だ。新製品は民生用オーディオやFAシステム、ビル制御システム、車載電子システム、セキュリティ機器など、幅広い用途に向ける。

tm_131120microchip02.jpg PIC32MZ ECファミリの外観

 PIC32MZ ECファミリは、同社PIC32MCU製品の最上位製品となる。CPUコアには同社として初めてとなるイマジネーションテクノロジーズ製MIPS microAptivコアを採用した。同CPUコアはキャッシュメモリを内蔵したものと、キャッシュメモリがないものの2種類を用意しており、用途によって選択することができる。さらに、RAMを最大512kバイト、フラッシュメモリを最大2Mバイトそれぞれ内蔵した。これにより、PIC32MZ ECファミリは、動作周波数が200MHzで最大330DMIPS、3.28CoreMarks/MHzの性能を実現した。これは従来のPIC32MXに比べて約3倍の演算性能となる。

tm_131120microchip03.jpgtm_131120microchip04.jpg PIC32MCUの製品群(左)とPIC32MZ ECのブロック図(右) (クリックで拡大) 出典:マイクロチップ・テクノロジー
tm_131120microchip05.jpg マイクロチップ・テクノロジーでMCU32開発およびマーケティング部門のディレクタを務めるRod Drake氏

 MIPS microAptivコアは、microMIPS命令セットアーキテクチャを採用している。マイクロチップでMCU32開発およびマーケティング部門のディレクタを務めるRod Drake氏は、「16ビットと32ビットの命令セットを組み合わせて用いることで、ARMアーキテクチャベースの製品に比べてコード密度を約30%も改善している」と話す。また、159個のDSP命令を追加している。これによって、DSPアルゴリズムの実行に必要なサイクル数は、PIC32MXファミリに比べ最大で75%削減することが可能となった。

 これ以外にも、PIC32MZ ECファミリはいくつかの特長を持つ。内蔵したA-Dコンバータは、分解能を従来の10ビットから12ビットに高めた。サンプリング速度は28Mサンプル/秒である。また、同ファミリの中にはハードウェア暗号化エンジンを内蔵したモデル(8製品)も用意している。乱数生成器を備えた同エンジンを用いてAESや3DES、SHAといったデータの暗号化/復号、認証を高速に実行することができる。さらに、Hi-Speed USBのMAC/PHYや10/100イーサネットMAC、およびデュアルCANポートを実装するなど、外部接続に対応するためのインタフェース機能を充実させた。

 パッケージは64端子のQFN/TQFP、100端子のTQFP、124端子のVTLA、144端子のTQFP/LQFPを用意している。

 PIC32MZ EC向け開発ツールも発売した。PIC32MZ ECスタータキット(暗号化エンジン内蔵製品向けと内蔵していない製品向けの2種類)、これと組み合わせて使うマルチメディア拡張ボードIIなどがある。

tm_131120microchip06.jpgtm_131120microchip07.jpg PIC32MZ ECスタータキット(左)とマルチメディア拡張ボードII(右)

RTOSやミドルウェアなどを統合する開発フレームワークを提供

 マイクロチップは、さまざまな開発ツールのモジュールを統合するための新たなソフトウェア開発フレーム「MPLAB Harmony」も同時に発表した。MPLAB Harmonyは同社製IDE開発環境「MPLAB X」で動作する。当面はPIC32MXおよびPIC32MZファミリに対応するが、2014年3月にリリース予定の次期バージョンでは、全てのPIC32ファミリをサポートする。

tm_131121microchip08.jpg MPLAB Harmonyのアーキテクチャ

 IDE開発環境には、RTOSや各種のミドルウェア、ドライバ、ライブラリなど、組み込みシステム向けのソフトウェア開発環境や実行環境が実装されている。これらの開発ツール群にはサードパーティー製も含まれており、フレームワークを標準化することで、各種ツールを効率よく統合することができるようになる。

 しかも、サードパーティー製ツールは、マイクロチップが事前に機能検証や相互動作の確認を済ませており、ユーザーは導入後すぐに利用することができる。さらに、開発ツールのライセンス契約やリセール、サポートなどもマイクロチップが一括して行うという。なお、一部のツールとプレミアムライブラリを除き、基本フレームワークと大部分のライブラリは無償で提供される。

 現時点でMPLAB Harmonyに対応しているソフトウェアとしては、FreeRTOS製の「FreeRTOS」、Wittenstein High Integrity Systems製の「OPENRTOS」、InterNiche Technologies製の「TCP/IPスタック」、wolfSSL製の「CyaSSL Embedded SSL Library」などがある。これからも順次、追加していく予定である。

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