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パルススキッピングモードの長所/短所とその回避法自動車用スイッチング電源設計(3/5 ページ)

» 2014年03月03日 10時00分 公開
[Frank Dehmelt,Application Engineer, Mixed Signal Automotive at Texas Instruments]

具体例2)ドロップアウトモードのパルススキッピングとは

 今度は、同じデバイスを用いて、ドロップアウトモードのパルススキップ動作を見ていきます。

 ドロップアウトモードやトラッキング機能を持つスイッチングコンバータ/コントローラーICは、入力電圧が要求される出力電圧とほぼ同等になると100%のデューティサイクル動作を行おうとします。

 ハイサイドFETを駆動するためには内部電源が必要になり、構成にもよりますが、再充電機能が要求されることもあります。なお、チャージ・ポンプ回路や外部電源を使うことで、真の100%デューティサイクルが達成できます。ただ、一般的には、ブートストラップ構成が使われ、ブートストラップのための容量は、瞬時にFETを切り替えることによって、再充電されます。そのため、ローサイドを短くオンにします。ローサイドFETのオン動作は、数パルスごとに行い、一定のパルスはスキップされます。例に挙げるデバイスでは、4パルスに1回のパルスがブートストラップの再充電に使われています。以下の図はその様子の波形です。スイッチング周波数は600KHzから150KHzに下げられ、入力電圧5.10V、出力電圧4.96V、負荷電流1Aの動作となっています。

【図3】ドロップモード時のパルススキッピング。CH3(水色)=VIN,CH1(黄色)=Vout、CH2(赤色)=PhaseNode。/条件:600kHz,VIN=5.10V,Vout=4.96V,Iout=1A (クリックで拡大)

 再充電のサイクルは、デバイスによります。例に挙げたデバイスは4パルス毎の充電でしたが、8パルスごとにしか充電しないデバイスも存在します。

 図3で見受けられる出力電圧の低下は、一般的にはFETのオン抵抗(RDSON)や再充電中に失った電力によります。誘発される低調波(サブ・ハーモニック)以上に高い懸念事項となります。

 例に挙げたSMPSで使用した外付けFETのRDS(on)は約60mΩになっています。

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