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PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)これだけは知っておきたいアナログ用語

» 2014年05月12日 00時00分 公開
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PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)

 PLLとは、Phase Locked Loopの略で、日本語では位相同期ループと呼ぶ。入力信号の位相と、出力信号の位相を一致させる、すなわち同期を取る役割を果たすアナログ回路である。基本的なアナログ回路ブロックの1つである。

 PLL単体でIC化されて市場に投入されている他、無線通信用トランシーバICや、周波数シンセサイザIC、クロック・ジェネレータIC、クロック・ジッタ・クリーナICなどにも集積されている。

ネガティブ・フィードバック回路で構成

図1 PLLの基本回路構成
位相比較器(PFD)、ローパス・フィルタ、電圧制御型発振器(VCO)、分周器などの回路ブロックから構成される。ネガティブ・フィードバック回路を構成することで、入力信号と出力信号の位相の同期を確保する

 PLLは、位相比較器(PFD:Phase Frequency Detector)、ローパス・フィルタ、電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)、分周器などの回路ブロックを使い、ネガティブ・フィードバック(負帰還)回路を構成することで実現する(図1)。例えば、入力信号と、フィードバックされた出力信号の位相が同期していない場合、位相比較器においてそれが検出され、誤差信号パルスが出力される。このパルス信号は、ローパス・フィルタを通過することで直流(DC)電圧に変換される。VCOにこの直流電圧が入力されると、その値に応じて、その出力信号の周波数が変化する。こうすることで、入力信号と出力信号の位相を同期させるわけだ。

 VCO出力のフィードバック・ループに分周器を入れると、入力信号の周波数を任意の整数倍に高める機能を付加することができる。こうした回路をPLL周波数シンセサイザと呼ぶ。

 なお、PLLには、「デジタルPLL」と呼ぶ回路方式が存在する。これは、位相比較器と分周器をデジタル回路で構成したものだ。ローパス・フィルタやVCOは、アナログ回路で構成している。



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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日

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