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» 2014年07月14日 07時30分 UPDATE

Q&Aで学ぶマイコン講座(4):ラッチアップって何? (3/3)

[菅井 賢,STマイクロエレクトロニクス]
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ラッチアップを引き起こす要因

 まとめますと、マイコンでラッチアップを発生させる要因は、次のようなものが挙げられます。


  1. 端子から入る外来ノイズ
    • 外来ノイズの立上り/立下りが急峻でdV/dtが大きいと、マイコンの内部まで到達し、任意の場所のPNPN接合をONすることになります。一般的にノイズというと電磁界によるノイズを指しますが、静電気によって発生する高電圧もノイズとして考えられます。
  2. 電源から入るノイズ
    • 電源にノイズが入り、電源の電位が低くなり、見かけ上PNPN接合のゲート部にノイズが入った時と同じ状態になる場合でもラッチアップは発生します。マイコンの電源が確立していないのに端子に電圧を印加することも、この場合に当てはまります。端子から外来ノイズを入れているのと同じ状態になります。
  3. マイコン内部の電圧変動によってゲートにノイズと同じ現象が発生する場合
    • マイコン内部に比較的大きな電流が流れると、内部に電位差が発生し、PNPN接合のゲートにトリガーが入ったことと同じ現象になります。この場合も、ラッチアップが発生します。電源に大電流が流れ込んだり、GNDから大電流が流出した場合に発生します。端子からも同じように大電流が流れ込んだり、流れ出たりするとマイコン内部の電圧変動を引き起こし、ラッチアップが発生します。

対策

 ラッチアップの対策は前述した要因を防げばよいことになります。具体的には次のような対策があります。

  1. ノイズを端子に入れない
    • ノイズが多い環境でマイコンを動作させる場合は、ノイズが端子に入らないように遮断します。また、どうしてもノイズが入る場合はノイズのdV/dtを小さくする工夫が必要です。例えばシールド、制限抵抗、コンデンサ、フェライトコアなどが有効です。
  2. 電源投入手順を守る
    • マイコンによっては複数の電源を持っているものがあります。その場合、マニュアルに電源投入手順または電源投入時の注意事項が記載されています。必ずマニュアルの手順を守って電源投入をしましょう。
  3. 過大な電流を電源ラインや端子に流さない
    • 過大な電流の目安は、「絶対最大定格」です。電源や端子に「絶対最大定格」を超える電流を流すとマイコンにダメージを及ぼすばかりではなく、マイコンの内部の電圧変動を引き起こし、ラッチアップの原因になります。「絶対最大定格」は必ず守りましょう。
  4. 外付け保護回路を設ける
    • 万が一、ラッチアップでマイコンに大電流が流れた場合、その電流を検知して、電源を遮断するする保護回路も有効です。ラッチアップによる大電流は、電源を切れば止まりますので、保護回路があればマイコンは壊れずに済みます。マイコン内部が破壊されていなければ、電源の再投入で再び正常に動作します。
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