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側波帯とキャリアを最低50dB抑制、リニアテクノロジーの低電力I/Q変調器リニアテクノロジー LTC5599

リニアテクノロジーの「LTC5599」は、消費電力が92mWと小さいダイレクトコンバージョンI/Q変調器である。バッテリ駆動の無線機、ワイヤレス通信機器、列車通信システム、ソフトウェア無線機器、ピコセル基地局装置などの用途に向ける。

» 2014年08月11日 16時10分 公開
[EDN Japan]

 リニアテクノロジーは2014年8月、消費電力が92mWと小さいダイレクトコンバージョンI/Q変調器「LTC5599」を発売した。プロ用のワイヤレスマイク、バッテリ駆動の無線機、ワイヤレス通信機器、列車通信システム、ソフトウェア無線機器、ピコセル基地局装置などの用途に向ける。

 LTC5599は、30MHz〜1.3GHzの周波数帯域において、トランスミッタのバッテリ駆動を可能にするI/Q変調器である。2.7〜3.6Vの単一電源で動作し、消費電流をわずか28mAに抑えながら、従来製品と同等の性能を得ることを可能にした。補正しなくても側波帯は500MHzで−52.6dBc、キャリアリークも500MHzで−51.5dBmと、それぞれ抑制している。内蔵した補正機能を用いると、同様に−60dBcおよび−65dBmと、さらに高い性能を実現することができるという。また、20.8dBmと高い出力IP3によって、デバイスの出力は−156dBm/Hzのノイズフロアを達成した。

LTC5599の外観と回路のイメージ

 内部のシリアルポートを用いて、デバイスの利得を設定することができる。利得制御は1dB単位で粗めに行い、0.1dB単位で細かい調整が可能である。全利得範囲は−19〜0dB。変調器の利得を変更することで、利得や性能はわずかに低下するものの、デバイスの電源電流は8〜35mAの範囲で調整することができるため、必要に応じて消費電力を下げることが可能だ。

 さらに、I入力とQ入力はそれぞれ、最大37MHzの−1dB変調帯域幅の対応が可能となり、900MHzの周波数で、合計74MHzのRF帯域幅をサポートすることができる。パッケージは外形寸法が4×4mmのQFNで供給する。動作温度範囲は−40〜105℃である。参考価格は、1000個購入時で単価が4.45米ドルより、となっている。

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