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» 2014年10月01日 00時00分 UPDATE

【講座】回路設計の新潮流を基礎から学ぶ:設計支援ツールでアナログ回路を簡単設計(3) 設計した回路の動作を迅速に検証するシミュレータ

[PR/EDN Japan]
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 設計した回路が仕様通りに動作するかどうかは、最終的には試作して動作検証することが必要だ。しかし、チップ部品の表面実装が主体になってきているプリント基板の試作には、かなりの時間やコストが必要で、気軽には実行できない。また、試作結果によって設計の問題点が発見されれば、設計を修正して再度の試作検証が必要になり、さらに工数が増加してしまう。

mm140929_ti1.jpg 図1 Power Designerの回路図画面

 シミュレーションを用いて有効な検証ができれば、時間やコストをかけずに設計の問題点を発見できる。修正とシミュレーションを繰り返して十分に検証した上で試作検証を行えば、試作後の修正は大幅に削減され、確実に動作する回路を少ない工数で設計できる。

 電源回路の設計を強力に支援する単一負荷用WEBENCH® Power Designerや、複数負荷用のWEBENCH Power ArchitectなどのWEBENCHオンライン設計支援ツールでは、使いやすいオンライン・シミュレーション機能として、電気的特性シミュレーションと熱特性シミュレーションを提供している。ここでは、具体的な設計例について、実際にシミュレーションを実行してみよう。

 この設計例は、USBなどの5V系入力から3.3V/3A出力を得る電源を想定したもので、次の仕様を持つ。電源ICとして高効率同期整流・降圧型コンバータのTPS62091を用いた設計例を図1に示す。

最大入力電圧 6V
最小入力電圧 4.5V
出力電圧 3.3V
負荷電流 3.0A

電気的特性シミュレーション

 回路図右側の「シミュレーションを実行!」またはメニューの「シミュレーション」ボタンをクリックすれば、電気的シミュレータが起動される。

 この電気的特性シミュレータは、入力過渡応答(Input Transient)、負荷過渡応答(Load Transient)、定常動作(Steady State)、起動応答(Startup)、周波数応答(Bode Plot)などの解析に対応しており(電源ICの品種によって、一部対応していないものもある)、TIのサーバ上で高速に実行される。最近、サーバの高速化とともにクライアント動作も大幅に改修され、さらに使いやすくなっている。

mm140929_ti2.jpg 図2 負荷過渡応答のシミュレーション例

 負荷過渡応答(Load Transient)の動作例を図2に示す。

 負荷過渡応答シミュレーションでは、負荷電流IOUTの100%(この例では3A)から10%(この例では0.3A)までの変動に対する出力電圧VOUTの応答をシミュレーションしている。もちろん、シミュレーション演算は回路全体について実行しており、表示ノードを追加すれば、他の部分の波形もグラフに表示して検討できる。負荷変動のパルス幅や電流傾斜(dIdt)などの変更もできる。

 今回の例では、負荷変動に対する出力電圧変動は±1%(±0.033V)の範囲に収まっており、十分に小さいことが分かる。

熱特性シミュレーション

 電気的特性シミュレーションを無償で提供している設計支援ツールは他にもあるが、TIのWEBENCH Power Designerでは、基板上の温度分布などの熱特性シミュレーションも無償で提供している。これは、WEBENCH Power DesignerやWEBENCH Power Architectなどの大きな特長であり、発熱が問題になる電源回路の設計ではとても役に立つ機能と言えるだろう。

 回路図右側の「熱特性シミュレーションを実行!」またはメニューの「熱特性」ボタンをクリックすれば、熱特性シミュレータが起動される。

 この熱特性シミュレータは、基板上の部品配置やパターン配置は固定されているが、銅箔の厚さ、ファンの風向・風速、基板の垂直・水平、基板のエッジ温度などをきめ細かく設定してシミュレーションを実行できる。基板、筐体、ファンなどを試作する前に、回路の熱特性を十分に検討することが可能であり、筐体やファンの設計に役立つデータを提供してくれる。

mm140929_ti3.jpg 図3 熱特性のシミュレーション例

 熱特性シミュレーションの動作例を図3に示す。

 熱特性シミュレーションの結果は、基板各部の動作温度一覧表と、基板の上面(Top)・下面(Bottom)のカラーチャートで表示される。

 今回の設計例は、USBなど低電圧・小電流の電源を入力とする電源回路で、負荷電流も最大3Aと小さいため、ファン不使用(風速0)の条件だが、シミュレーション結果の動作温度は最大62℃(電源ICのダイ温度)にとどまっている。

 動作条件が厳しく、さらに温度が高くなるような事例では、ファンなどの条件を変化させて動作温度を検証できるこの熱特性シミュレーションはさらに役立つだろう。

※ WEBENCHはTexas Instrumentsの登録商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。



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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日

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