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» 2014年10月24日 00時00分 UPDATE

宮崎 仁のQ&Aでよく分かるマイコン基礎の基礎:第2回 マイコンボードで何ができるの? キーボードやディスプレイはつながる?

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マイコンボードを使う目的

Q:マイコンボードで何ができるのですか?

A:大手のマイコンメーカでは、自社のマイコンを搭載した簡単なマイコンボードをユーザ向けに供給しています。例えば、テキサス・インスツルメンツ(TI)が低価格で販売しているローンチパッドは、使いやすいマイコンボードとして好評だそうです。メーカーのwebサイトや一般の通信販売ショップ、秋葉原や日本橋などの電気街にある部品ショップで入手できます。これらは、搭載されているマイコンを手軽に使って性能や使いやすさを試してみよう、ということを目的として作られたものです。

 この、「マイコンを手軽に使って」というのは、自分でプログラム開発をするということです。PCのように市販のプログラムを買ってきて使うわけではありません。

 マイコンというのは1個の部品(LSI)であって、いろいろな装置に自由に組み込んで任意の仕事をさせることができます。その代わり、マイコンを使うには、他の部品と組み合わせた回路を設計し、基板上に実装してマイコンボードを作り、プログラムを書き込んで動作させるまで、すべて自分で行う必要があります。毎回それではあまりにも大変なので、いきなりプログラム開発ができるように、最低限のハードウェアをボードとしてまとめたのがマイコンボードです。また、プログラム開発だけでなく、追加のハードウェアを自分で開発するにもマイコンボードは役に立ちます。

mm141024_ti1.jpg 図1 マイコン評価ボードの目的

マイコンボードの機能と構成

Q:マイコンボードには、マイコンの他に何が載っているのですか?

A:マイコンボードによって違いますが、大別して、マイコンを動かすための電源やクロック、マイコンを操作したり状態を知るための最小限のI/O、マイコンにプログラムを書き込むための最小限の通信機能を搭載したものが多いです。

 単にマイコンを動かすだけであれば、マイコンの他に電源とクロック源があればなんとかなります。

 マイコンは動作電圧が決まっていて、それに合わせた電源を供給します。ぴったりの電源装置を使うなら電源コネクタだけ搭載すれば十分です。そうでなければ、電源コネクタから供給する電圧をマイコンの動作電圧に変換するための電源ICが必要です。

 クロック源は、マイコンの動作を1ステップずつ進めるための動作クロックを供給します。正確なクロックが必要な場合は水晶発振器を使います。それほどでもないときは、マイコンに内蔵した発振器を使うことが多く、外付けのクロック源は不要です。

 マイコンボードでは、マイコンを操作するための入力装置として押しボタンスイッチ、マイコンの状態を知るための出力装置としてLEDランプを搭載することが多いです。最小限ならスイッチ1個、LEDランプ1個ですが、プログラム作成の学習が主目的のマイコンボードなら、複数のスイッチとLEDランプ、数字を表示できる7セグメントLED表示器、数字や簡単な文字(アルファベットやカナ)を表示できる液晶表示器(LCD)を搭載したものもあります。

 操作スイッチとは別に、リセット用の押しボタンスイッチも搭載しています。マイコンは電源をオフからオンにすると、内部状態を初期化して、プログラムを先頭から実行します。プログラムの動作がおかしくなったときや、途中で終了してやり直したい場合に、リセットスイッチがあれば強制的に初期化できるので便利です。

 マイコンのプログラムは、通常はマイコンの内蔵フラッシュ・メモリに書き込んでおけば、いつでもそのプログラムを実行してくれます。プログラムの開発はPC上で行いますから、作成したプログラムをPCからマイコンボードに転送する通信手段と、フラッシュ・メモリに書き込む手段が必要です。

mm141024_ti2.jpg 図2 マイコン評価ボードの構成例

 最近のマイコンボードは、プログラムを開発する対象のマイコン(ターゲットCPU)とは別に、PCとUSBなどで通信してプログラムを受信したり、受信したプログラムをターゲットCPUに書き込んだり、さらに開発時のデバッグに役立ついろいろな機能を実行する別のマイコンを搭載したものも多くなっています。このようなマイコンボードがあれば、高価な開発装置がなくても、手軽にプログラム開発ができます。

 たとえば、TIのローンチパッドは、ターゲットのマイコンと開発支援用のマイコンを搭載し、手軽な開発装置として他のマイコンボードの開発にも利用できる便利な製品です。

TIのマイコンボード MSP430™ LaunchPadの例

  • 開発対象(ターゲット)のマイコンはMSP430バリュー・ライン・シリーズ
  • USBコネクタから5V電源を供給
  • 入力用スイッチを1個、出力用LEDを2個搭載
  • 任意の外付け回路を接続可能な拡張I/Oピン(ターゲットの全機能を利用できる)
  • 支援用マイコンはUSBでPCと通信(プログラムのダウンロード、デバッグ)
  • このボードがあれば、すぐにマイコン開発が始められる

品名 開発対象マイコン 特長 拡張I/O
MSP-EXP430G2 MSP430バリュー・ライン 14/20ピンDIP、低コスト 20ピン
MSP-EXP430FR4133 MSP430FR4133 FRAMマイコン、LCD搭載 20ピン
MSP-EXP430FR5969 MSP430FR5969 FRAMマイコン、超低消費電力 20ピン
MSP-EXP430F5529LP MSP430F5529 5シリーズ、USB、高機能 40ピン
LAUNCHXL-F28027 C2000 Piccolo モーター制御向け 40ピン
LAUNCHXL-F28027F C2000 Piccolo モーター制御向け、InstaSPIN™-FOC搭載 40ピン
EK-TM4C123GXL TivaC ARM CortexM4F、USB、高機能 40ピン
表 ローンチパッドの紹介

TIでは、超低消費電力のMSP430シリーズリアルタイム・マイコンのC2000シリーズARMアーキテクチャのTivaCシリーズなど、多様なマイコンの開発を手軽に始められるように、低価格マイコンボードのLaunchPadを販売している。無償の開発用ソフトウェアやサンプルソフト、豊富なオプションボードなど、開発環境も充実している。


Q:マイコンボードにキーボードやディスプレイはつながりますか?

A:PCの場合は、キーボードで操作して、高解像度の液晶ディスプレイに表示を行います。これと同じことをマイコンボードでできるかというと、たいていの場合はできません。キーボードはつなごうと思えばできるのですが、ディスプレイの方が大変です。PCがディスプレイに表示を行うとき、数Mバイト程度の画像用メモリ(VRAM)を用意して、画面に表示するデータを高速に生成しています。CPUの処理を減らすために、グラフィック・アクセラレータという別のLSIを用いたり、描画のための膨大なプログラムを実行したりしています。一般のマイコンボードでは、CPU性能もメモリ容量もまったく足りません。グラフィック表示をしたい場合でも、もっと簡単で解像度の低いディスプレイを使います。

 また、PCではキーボードやティスプレイに関する処理は、WindowsなどのOSで大部分行っています。一般のマイコンボードでは、Windowsを動かすことも困難です。逆に、OSなしでキーボードやディスプレイの処理を行うには、膨大なプログラムを自作しなければなりません。

 最近では、外見はマイコンボードの形をした超小型PCというのも売っています。それらは、一般のマイコンボードのように、マイコンのプログラム開発を自由に行うことはできません。

MSP430 超低消費電力マイコン・ファミリ
MSP430 LaunchPadバリュー・ライン開発キット
新FRAMマイコン:「MSP430FR5969」
TIのマイコン製品の詳細
■TIのツールの購入はこちらから:TI eStore


※MSP430はTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。


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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日

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