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» 2014年12月22日 00時00分 UPDATE

【講座】回路設計の新潮流を基礎から学ぶ:大きな期待を集める新市場「IoT」、TIがセンサ関連製品の拡充で攻勢を掛ける

[PR/EDN Japan]
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 エレクトロニクス業界において、IoT(モノのインターネット)に対する期待度がかつてないほど高まっている。

 IoTとは、パソコンやサーバー、プリンタなどのIT関連機器だけではなく、家具や道路、橋脚などのさまざまな「モノ」もインターネットに接続するというものだ。モノにセンサ機能や通信機能、デジタル処理機能を取り付け、取得したデータをインターネット経由でクラウド環境にアップする。そして集められた膨大なデータを処理することで、今までにはない新しいアプリケーションやサービスが提供できるようになると期待されているのだ。

 このIoTには、センサ機能や通信機能、デジタル処理機能を実現する半導体製品が欠かせない。IoTが広く普及すれば、その出荷数量は膨大になる。2020年までには、世界中で240億個のモノがインターネットに接続されるという予測がある。1つのモノに4〜5個のセンサ素子が搭載されれば、センサ素子だけで出荷数量は1兆個を超える。いわゆる「トリリオン・センサ」である。

 これだけ大規模な市場だ。世界の半導体メーカーがIoT市場に熱い視線を送る。テキサス・インスツルメンツ(TI)も、その1社である。

総合力でIoT市場を攻略

 極めて有望な新市場であるIoT。現在TIは、この市場の開拓に向けて取り組みを一層強化している。

 実は、TIは、IoT市場の攻略に向けて比較的有利な位置に付けている。従来から、超低消費電力のマイコンや、低消費電力のRFトランシーバ、センサ向けアナログ・フロント・エンド、高効率なパワー・マネジメントICなどの半導体製品を手がけているからだ(図1)。しかも、いずれの半導体製品において、業界のリーダー的な役割を果たしている。

photo 図1 組込み機器のシステム構成
IoTに向けたセンサ・モジュールでは、センサ関連機能や、デジタル処理機能、無線通信(RFトランシーバ機能)が欠かせない。TIは、この3つの機能に向けた半導体製品を用意しており、いずれも業界において高い競争力を有している。

 例えば、超低消費電力マイコンの代表例としては、16ビットRISCマイコン「MSP430™」が挙げられる。この中でも、FRAM(強誘電体メモリ)を集積した「MSP430FRxx」シリーズの消費電力は際立って低い。通常動作時の消費電流は100μA/MHzで、待機時は450nAである。「業界で最も低いシステム電力を達成した」という。1個のコイン型電池で、数年駆動できる電子機器を実現できるわけだ。既存のフラッシュタイプに比べ、書き込みスピードは100倍以上、書き込み時の電力は250分の1以下と圧倒的な差が出ている。これだけあればすぐに開発をスタートできるというローンチパッドは開発キットであり、購入も可能でソフトウェアは無償でダウンロードできる。

無線LANでもBLEでも対応可能

 低消費電力のRFトランシーバでは、大きく分けて2種類の製品を用意している。1つは、携帯型電子機器を介することなくダイレクトにインターネット(クラウド)に接続する用途向けに、最近発売した無線LAN(Wi-Fi)対応ワイヤレス・マイコン「CC3200」である(図3)。チップ・レベルでのWi-Fi認証を取得しており、認証手続きの手間が不要だ。無線LAN規格である「IEEE 802.11b/g/n」に対応したRFトランシーバ回路と、32ビット・プロセッサ・コア「ARM Cortex M4」を1チップに集積したSoCで、消費電力が低い点が特長である。「Wi-Fiチップは消費電力が比較的大きいが、このSoCは違う。2本の単3型電池で1年間駆動できるシステムを実現できる」(日本TI)という。

もう1つは、スマートフォンなどの携帯型電子機器を介してインターネット(クラウド)に接続する用途に向けたBLE(Bluetooth Low Energy)対応ワイヤレス・マイコン「CC2541」である(図2)。これは、BLEに対応したRFトランシーバ回路と、8ビット・マイコン・コア「8051」を1チップに集積したSoC(System on a Chip)である。消費電力が低い点が特長だ。ローンチパッドも提供している。

photo 図2 スマートフォンなどを介してインターネット(クラウド)に接続
BLE(Bluetooth Low Energy)を利用して接続するケースを想定した。低消費電力マイコン「MSP430FR5969」とBLE対応ワイヤレスSoC「CC2541」に加えて、センサ素子やパワー・マネジメントIC を組み合わせてセンサ・モジュールを構成する。TIはBLE以外の無線方式対応製品も取り揃えている。
photo 図3 無線LANを使ってインターネットに直接接続
無線LAN(Wi-Fi)を使って、インターネットに直接接続するケースを想定した。IEEE802.11b/g/nに対応したRFトランシーバと32ビット・プロセッサ・コア「ARM Cortex M4」を集積したワイヤレスSoC「CC3200」と、センサ素子やパワー・マネジメントIC を組み合わせてセンサ・モジュールを構成する。

 パワー・マネジメントICでは、エネルギー・ハーベスティング(環境発電)に向けた昇圧型DC/DCコンバータIC「bq25504」を用意している。これは、太陽光や温度差、振動、電磁波などの周囲環境に存在するエネルギーから回収した電力を昇圧して、デジタル処理機能やRFトランシーバ機能を駆動する用途に向けたものだ。起動電圧は330mVと低い。しかも、一度起動してしまえば、入力電圧が80mVに低下しても、マイコンやRFトランシーバに電力を供給し続けられる。エネルギー・ハーベスティングで回収できる電力は非常に少ない。しかし、このICを使えば、その少ない電力を有効に活用できるわけだ。

センサ関連製品の品ぞろえを強化

 TIが投入するセンサ関連製品の品ぞろえは豊富だ(図4)。何を隠そう、温度センサICを業界に先駆けて製品化したのはTIである。1970年代のことだ。その後、電流センサICや、ホール効果センサICなどを製品化している。

photo 図4 さまざまなセンサ関連製品を用意
現在、TIが扱っている代表的なセンサ関連製品である。

 さらに、センサ素子の後段に接続するアナログ・フロント・エンドICも充実している。例えば、ガス/化学センサに向けた「LMP91000」や、CO2(二酸化炭素)センサなどに向けた「LMP91050」pHセンサなどに向けた「LMP91200」などがある。いずれも、アナログ・フロント・エンドに必要な機能をすべて集積しているため、センサ素子を外付けするだけで、センシング・システムを構築できる。しかも、さまざまな特性をユーザがプログラムできるため、設計も簡単だ。

 さらに最近になってTIは、センサ関連製品の品ぞろえの強化に積極的に取り組んでいる。2013年には、誘導型近接センサに向けたデータ・コンバータIC「LDC1000」を投入した。これは、インダクタンス値をデジタル値に直接変換するもの。プリント基板(PCB)に作り込んだコイルなどを外付けするだけで、非常に小さい誘導型近接センサを構成できる。

 これに加えて2014年9月には、4種類のセンサ関連製品を一気に市場投入した。非接触赤外線(IR)温度センサIC「TMP007」温湿度センサIC「HDC1000」周辺光センサIC「OPT3001」静電容量センサIC「FDC1004」である。

 TMP007は、外形寸法が1.9mm×1.9mm×0.625mmと小さいことが最大の特長だ。HDC1000も同様に、実装面積が2.0mm×1.6nmmと小さい点が特長として挙げられる。さらに、消費電流は1.2μAと低い。OPT3001は、人間の視覚特性に合わせた検出が可能なことが特長である。外形寸法は2.0mm×2.0mm×0.65mmと小さく、消費電流は2μAと低い。FDC1004は、静電容量値をデジタル値に変換する4チャネルのコンバータであり、低消費電力が特長だ。

感度が高い静電容量センサ

 この4つの製品の中でとりわけ注目すべきはFDC1004である。1個のプレート電極を接続するだけで静電容量センサを簡単に構成できる。プレート電極とグラウンドとの間の静電容量を高い精度で検出可能だ。感度は1fFと高い。検出範囲は、プレート電極の面積に依存する(図5、図6)。大きなプレート電極を使えば、より遠くの物体を検出できる。例えば、面積が125mm×125mmのプレート電極であれば、70cm程度離れた物体の検出が可能だ。静電容量の測定範囲は±15pFで、最大オフセット誤差は100pFである。

photo 図5 静電容量センサで検出可能な距離(40mm2の場合)
プレート電極の面積が40mm2の場合は9cm程度の距離まで検出できる。
photo 図6 静電容量センサで検出可能な距離(125mm×125mmの場合)
プレート電極の面積が125mm×125mmの場合は、70cm程度まで検出できる。

 用途は多彩だ。例えば、自動車用途では次のような使い方が想定される。1つは、自動車のバンパーの下にプレート電極を取り付けておき、利用者の足をバンパーと地面の間に入れるとハッチバックが自動的に開閉するシステム。もう1つは、雨滴を検出してワイパーを自動的に起動するシステムである。

 携帯型電子機器などの用途では、4つのプレート電極を取り付けておき、その上で指の動かすことで情報を入力するシステムを実現できる。いわゆるジェスチャー認識である。このほかにも、アイデア次第でさまざまな使い方が考えられるだろう。

充実した開発環境も提供

 「IoTの世界は、アイデアをすぐ具現化する機動性が求められる。」(日本TI)。TIは、システム設計を迅速に開始し、市場投入期間の短縮をサポートするツールも提供している。WEBENCHオンライン設計支援ツールは、回路設計およびシミュレーション・ツールであり、電源ICを中心に人気である。サポート面では、E2Eフォーラムを開設している。E2Eはエンジニアからエンジニアへという意味で、ユーザ側のエンジニアがTIのエンジニアに直接つながる場として提供されており、日々闊達なやり取りが交わされている。TI Designs リファレンス・デザイン・ライブラリは、最近TIが積極的に行っている活動の1つだ。TI Designsでは、回路図・ブロック図、部品表、各種デザイン・ファイルと実際にテストした評価レポートを1600点以上掲載している。「利用者からも、設計の参考になるアイデアが膨らんだ、と非常に前向きな声が届いている。今後この数も順次増やしていく予定だ。」(日本TI)。

photo 図7 市場投入期間の短縮をサポートするツールも提供
特長的で幅広い製品群を補完する各種サービスも充実している。

TIのセンサ・イノベーションの詳細



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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日

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