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» 2015年05月14日 09時00分 UPDATE

Wired, Weird:未知の回路“ディザー回路”を使った電源の修理 (1/3)

焼損したユニバーサル電源を修理しようとしたところ、“ディザー回路”が使われていた。聞きなじみのない回路だ。果たして、“ディザー回路”とはどのような回路で、故障の原因はどこにあるのか? 修理の様子を報告していこう。

[山平豊(ケイティーエス),EDN Japan]

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焼損した電源から見つかった特殊回路

 大型の修理品を調査していると、市販のユニバーサル電源に不良がみつかった。電源の放熱板に貼り付けた白い絶縁板が黒く焼けて、部品が焼損しているのがすぐ分かった。この電源は高力率のユニバーサル電源だが整流部の回路を確認したら、かなり特殊な回路だった。型名が分かったので電源メーカーのカタログのブロック図を見たら、"ディザー回路"と書いてあった。ディザー回路!? あまりなじみがない名前だ。名前に興味がわいたのでこの回路をいろいろ調べてみた。今回はディザー回路が使われた電源の修理を報告する。なお電源のメーカー名や形名が分からないように配慮している。


コンデンサがボロボロ

 不良基板を放熱板から外して確認したら、放熱板に貼り付けた絶縁板が黒く焼けた位置に近い基板側のコンデンサが燃えてボロボロになっていた。電源基板の写真を図1に示す。

tt150514WW001.jpg 図1 電源基板の写真 (クリックで拡大)

 図1の赤の円で囲んだ部分が焼けた部品で炭化して白くなっている。あれ?焼けた部品の左にある電解コンデンサの耐圧が200Vだ。この電源はDC265Vまでかかるはずなのに、この電圧でも大丈夫なの? と疑問がわいた。焼けた部分を拡大した写真を図2に示す。

tt150514WW002.jpg 図2 焼けた部分を拡大した写真 (クリックで拡大)

 図2のC18は完全に燃えてしまい炭化して白くなっていた。焼けた部品を基板から取り外したら、部品はバラバラになって2本のリードと白い粉が残った。電源に表示された型名のカタログを探したら電源のブロック図が見つかった。図3に示す。

tt150514WW003.jpg 図3 電源のブロック図 (クリックで拡大)

ディザー回路って何!?

 図3には『整流』の後に『ディザー回路』と記載してあった。ディザー回路!? は初めて聞く名前だ。どんな回路だろうか。インターネットで検索したら、特許の記事が見つかった。電源メーカーが1999年に公開した特許だった。

 この回路は電流を電源ラインから連続的に取り込むことで高調波の発生を少なくして、ユニバーサル電源で高力率を得る回路だった。

 図1で気になった電解コンデンサの耐圧についてメーカーへ質問したら“通常はDC170Vで使用しているのでDC200Vの耐圧でも問題ない”と返事があった。正常な動作では電解コンデンサを85%の耐圧で使っていることになる。少しマージン不足と思うがまあ“良し”としよう。

 まずは回路パターンを追いかけて、整流部分の接続回路を書いてみた。図4に示す。

tt150514WW004.jpg 図4 整流部分の接続回路図 (クリックで拡大)
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