Special
» 2015年05月21日 00時00分 UPDATE

これだけは知っておきたいアナログ用語:A-Dコンバータ

[PR/EDN Japan]
PR

photo

A-Dコンバータ

 A-Dコンバータとは、アナログ信号をデジタル信号に変換する電子回路のこと。電子機器のデジタル化に伴い、アナログ信号を入力とするものでは欠かせない回路となっている。具体的には、通信機器や計測機器、オーディオ/ビデオ機器、医療機器などの電子機器である。

 A-Dコンバータにはさまざまな特性があるが、その中で特に重要なのは、分解能と変換速度(サンプリング速度)である。分解能は、電圧振幅軸方向の変換時の細かさである。例えば、分解能が4ビットであれば16段階であり、基準電圧が5Vであれば量子化単位(LSB:Least Significant Bit)は約0.3Vになる。分解能が12ビットと高まると4096段階となり、基準電圧が5Vのときの量子化単位は約0.001V(1mV)。18ビットならば26万2144段階となり、基準電圧が5Vのときの量子化単位は約0.00002V(0.02mV)となる。従って、高分解能のA-Dコンバータほど、高精度な信号処理が求められることになる。

 もう一つの重要な特性である変換速度は、時間軸方向の変換時の細かさである。単位はサンプル/秒(SPS)で、1秒間に変換を何回行ったかを示す。例えば、1SPSは1秒間に1回、1MSPSは1秒回に100万回ということになる。なお、変換速度が小さすぎると、元のアナログ信号を再現できなくなってしまう。その境となるのが、アナログ信号の周波数であるfの1/2である。従って、変換速度はf/2よりも大きくしなければならない。これを標本化定理(ナイキストの定理)と呼ぶ。

実現方法によって長所短所がある

図1 図1 A-Dコンバータの実現方式の位置付け
横軸に分解能(ビット)、縦軸に変換速度(SPS)をとって、各実現方式をマッピングした。

 A-Dコンバータを実現する回路手法はいくつかある。代表的な手法としては、ΔΣ(デルタ・シグマ)方式(ΣΔ方式と呼ばれる場合もある)や逐次比較(SAR:Succesive Approximation Register)方式、パイプライン方式、フラッシュ方式が挙げられるだろう。

 この4つの回路方式は、それぞれ得手不得手がある(図1)。高い分解能で処理することが最も得意なのは、ΔΣ方式である。一般に12〜24ビットと高い分解能が得られる。次に、高い分解能が得られるのが逐次比較方式。10〜16ビットの分解能が得られる。その次はパイプライン方式で、分解能は8〜14ビット。そして最後がフラッシュ方式で、分解能は6〜12ビットである。

 一方、変換速度でみるとどうだろうか。最も高い変換速度が得られるのは、フラッシュ方式である。GSPSオーダーと極めて高い変換速度が得られる。次は、パイプライン方式である。数100MSPSの変換速度が得られる。この次は逐次比較方式で、実現できる変換速度は数百kSPSから数10MSPSである。得られる変換速度が最も低いのはΔΣ方式である。一般には数k〜数百kSPSオーダーである。ただし、最近では回路方式の工夫などにより数10MSPSと高い製品が手に入るようになっている。

 ここで注目して欲しいのは、高い分解能が得られる順番と、高い変換速度が得られる順番がまったく逆であることだ。例えば、ΔΣ方式を使えば、高い分解能は得られるが、変換速度は低くなってしまう。一方、フラッシュ方式を使えば、極めて高い変換速度は得られるが、低い分解能しか得られない。従って、設計中の電子機器の特性を良く見極めて、使用するA-Dコンバータを選ぶ必要があるだろう。

【関連リンク】


Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2016年3月31日

設計に役立つヒント集

宮崎 仁のQ&Aでよく分かるマイコン基礎の基礎:
第24回 割り込みっていろいろあるのですか?どんな種類があるか教えてください。

今回は、外部割り込み、内部割り込み、ソフトウェア割り込みについて詳しく解説しています
全文を読む


電源IC選択のヒント集
電源IC 使用時の注意点をわかりやすく説明しているほか、使用時に発生する可能性のあるさまざまなトラブルとその対処法についても紹介しています。ぜひご利用ください。ダウンロードには myTI アカウントが必要です。
Part 1をダウンロード
Part 2をダウンロード


アナログ回路設計式一覧ポケット・ガイド
日本語版 PDF

英語版で高い評価を受けてきたポケット・ガイドの日本語版が完成しました。基板レベルやシステム・レベルの回路設計でよく使われるアナログ設計式を紹介しています。ダウンロードには myTI アカウントが必要です。
ダウンロード



facebook & twitter

製品情報、セミナーや展示会などのイベント情報をお知らせしています。

RSSフィード

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © 2005 - 2017 ITmedia Inc. All rights reserved.
This site contains articles under license from UBM Electronics, a division of United Business Media LLC.