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最大効率98%、IoTデバイス向け小型昇降圧レギュレータインターシル ISL9120

インターシルは2015年7月、高効率パワーマネジメントを可能にする小型昇降圧レギュレータ「ISL9120」を発表した。アダプティブ電流制限PFMアーキテクチャにより、最大98%の変換効率を実現。また、小型化したことでIoTを構成するデバイスに提供していく。

» 2015年07月10日 11時30分 公開
[EDN Japan]

 インターシルは2015年7月、高効率パワーマネジメントを可能にする昇降圧スイッチングレギュレータ「ISL9120」を発表した。アダプティブ電流制限PFMアーキテクチャにより、最高98%の変換効率を実現。小型化し、ウェアラブル機器、スマートフォン機器などのIoTを構成するデバイス向けに展開する。

バッテリーの電源損失を回避

 モバイル機器の普及とウェアラブル機器の人気の高まりに伴い、電源設計ではコスト、サイズ、電力効率の最適なバランスの実現が重要な課題となっている。一般的に、ウェアラブル機器の電源には、3個のDC-DCレギュレータと3〜5個のLDO(低ドロップアウト・レギュレータ)が使用されている。そのため、基板スペースの中で大きな面積を占有する。また、LDOは昇降圧レギュレータに比べ効率面、信頼面で劣り、性能が犠牲になってしまうデメリットがある。

 ISL9120は、広い入力電圧範囲に対応すると同時に、昇圧機能を備えていることから、バッテリー電圧の一時的低下により入力電圧が出力電圧を下回り発生するバッテリーの電源損失を回避する。1.41角サイズの小型パッケージを採用する他、外部に必要なインダクタは1個だけで、電源回路の小型化にも貢献する。

昇降圧スイッチングレギュレータ「ISL9120」のイメージ図

 ISL9120は入力電圧範囲が1.8V〜5.5V、出力電圧範囲は1V〜5.2V。強制バイパスモードと2Aスイッチを備えたアダプティブPFM動作により、低負荷電流と高負荷電流のいずれにも高効率で対応が可能。バッテリー駆動時間の延長と発熱の抑制を実現した。

 電流は最大で800mA出力する(入力電圧2.5V、出力電圧3.3V時)。自己消費電流は41μAで、軽負荷効率の最大化と消費電力の低減が可能となった。システムが電圧の安定化を必要としないステイ・アライブ状態の間は強制バイパス・モードに入り、消費電力を0.5μA未満の自己消費電流レベルまで低減する。

 ISL9120は9ピンのWLCSPとQFNパッケージで出荷が開始され、1000個購入時の単価は0.72米ドル。2種類の評価ボードを提供し、出力電圧3.3VのISL9120IIN-EVZは単価74.45米ドル、出力電圧可変のISL9120IIA-EVZは単価73.35米ドルで販売されている。

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