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並列型レギュレータで直流定電圧を生成するDesign Ideas パワー関連と電源(1/2 ページ)

直流の定電圧3Vをそれより高い電源から得るときに、実験用回路では必要な電圧の直列型レギュレータがない場合、並列型レギュレータで代用してもよい。今回は、並列レギュレータよりも出力インピーダンスを低くできる、MOSFETを紹介する。

» 2015年07月28日 11時30分 公開

 直流の定電圧3Vをそれより高い電源から得るには、直列型レギュレータやDC-DCコンバータを用いることが多い。だが、実験用回路では、必要な電圧の直列型レギュレーターがない場合、並列型レギュレーターで代用してもよい。

 図1のMOSFETは、並列レギュレータのMOSFETを置き換えることができ、ツェナーダイオードよりも出力インピーダンスを低くできる。

セルフバイアス構成のMOSFET

図1:並列レギュレータのツェナーダイオードと置き換え可能なMOSFET
MOSFETによって並列レギュレータのツェナーダイオードを置き換えることができ、出力インピーダンスも低くなる。

 MOSFETはドレインをゲートに接続し、セルフバイアス構成にしてある。入力電圧とゲート‐ソースしきい値電圧VGSの差によって電流が決まる。この例のIRF521では、ドレイン電流250μAでしきい値電圧は2Vから4Vである。図2の上の曲線は、約200μAの電流でIRF521のゲート‐ソース電圧が3Vになることを表す。MOSFETは素子によってバラツキがあるが、通常は定格の最大値と最小値のほぼ平均のしきい値電圧を示す。

 同図の下の曲線は出力インピーダンスで、上の曲線を微分して得られる。出力インピーダンスROUTは、電流100μAでは約800Ωと高いが、電流が増えるとともに急速に低下し、50mAでは6Ωを切る。

図2:VGSおよびROUTのIDに対する特性曲線
ゲート‐ソース電圧と出力インピーダンスというキーパラメータを、ドレイン電流に対してプロットすると、その変化が2桁半にわたって滑らかなことが分かる。

 MOSFETはしきい値電圧か、その近傍で動作させるので、オン抵抗の仕様値は適用できない。この回路の出力インピーダンスはオン抵抗仕様から予測される値よりもずっと高くなる。それでも、一般に、オン抵抗の仕様値が小さいほど、しきい値電圧近傍におけるある電流値での出力インピーダンスも小さくなる。

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