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単一電源で動くリニア・パワー・ドライバーDesign Ideas パワー関連と電源(1/2 ページ)

今回は、パルス発生器のパワー・ドライバーに使える回路を紹介する。単一電源、低消費電力のアナログ用途での、電源電圧を超える電圧を精密に制御するのに役立つ。

» 2015年08月04日 11時00分 公開
[Tom GayEDN Japan]

 単一電源、低消費電力のアナログ用途では、電源電圧を超える電圧を精密に制御する回路が必要なことがある。図1は、入力電圧VINを、抵抗R1とR2で決まるファクターAだけ増幅して出力する回路である。出力電圧VOUTはAVINに等しい。ここでA=(R1+R2)/R2である。図1に示した値の場合、Aは8になる。

 オペアンプの電源電圧は5V単一である。個別半導体素子で構成した出力段は、整流電圧VSで動く。VSの値は用途に合わせて決める。

 図1の回路にシンク電流もソース電流も流れない(Q2とQ3がオフの)ときは、オペアンプの出力電圧は1.9V(トランジスタQ1が完全にオフ、すなわち2.5V−0.6V)より高く、nチャンネルFET Q3のしきい電圧から1.2V(ダイオード2個分の電圧降下)を引いた電圧よりも低い値にとどまっている。

図1:電源電圧を超える出力電圧を制御する回路 (クリックで拡大)

 入力電圧VINが上昇を始めると、オペアンプの出力電圧が下がる。そしてトランジスタQ1を徐々にターン・オンさせる。Q1のターン・オンによって抵抗R8による電圧降下が発生し、トランジスタQ2がターン・オンする。このプロセスは、オペアンプの2つの入力電圧が一致するまで続く。

 逆に、入力電圧VINが下降を始めると、オペアンプの出力電圧が上昇する。これは、Q3が出力電圧VOUTをプルダウンするために十分な程度に導通するまで続く。コンデンサーC1とC2、C3は発振防止用である。

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