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単一電源で動くリニア・パワー・ドライバーDesign Ideas パワー関連と電源(2/2 ページ)

» 2015年08月04日 11時00分 公開
[Tom GayEDN Japan]
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 この回路はパルス発生器のパワー・ドライバーに使える。立ち上がり時間と降下時間は共に15μs未満である。電源電圧VSにはほぼ依存しない。なお抵抗R9の値は、VSによって決まる。この回路には、部品の公差の影響を受けにくいという特徴もある。

 オペアンプに「LMC7101」あるいは「LT1013」、「AD8551」を使うと、この設計を検証可能である。これらのオペアンプを使うと、いずれも電源電圧VSが40Vのときに5Aという大きな負荷電流を供給できる。

 Q3には、「IRLZ34N」のような論理レベルのFETも利用できる。この場合、ダイオードD1、D2、D4と抵抗R4、R9、コンデンサーC4が不要になる。このときにはオペアンプ出力が直接、Q3のゲートに接続される。そこでQ1とQ3の両方がオフ状態となっている「アイドル・ウィンドウ」を確保するため、R6の値を小さくしてQ1のベース電圧を下げる必要がある。

 オペアンプの入力電圧範囲には、接地電位を含まなければならない。ダイオードD3は、出力に電源が接続される場合にだけ必要となる。外部電源から流れ込む逆電流がQ2を通るのを防ぐ。こういったことが起こるのは、例えば電池の充電回路にこの回路を適用した場合である。


Design Ideas〜回路設計アイデア集

【アナログ機能回路】:フィルタ回路や発振回路、センサー回路など

【パワー関連と電源】:ノイズの低減手法、保護回路など

【ディスプレイとドライバ】:LEDの制御、活用法など

【計測とテスト】:簡易テスターの設計例、旧式の計測装置の有効な活用法など

【信号源とパルス処理】:その他のユニークな回路




※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事の中から200本を厳選し、5つのカテゴリに分けて収録した。

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