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» 2015年12月08日 11時30分 UPDATE

Design Ideas 計測とテスト:安価な「電圧降下法」で基板の短絡を検出する (1/2)

プリント基板の製造で、圧倒的に多い不良は配線パターン間の短絡だ。短絡箇所を探すのには非常に多くの時間を要し、その作業にはストレスが伴う。そこで、今回は4線式DMMや抵抗測定器の考え方を用いた、短絡箇所を発見する簡単な方法を紹介しよう。

[Teno P Cipri,EDN Japan]

必要なのはオームの法則の基本的な知識

 プリント基板の製造で、圧倒的に多い不良は配線パターン間の短絡である。短絡箇所を探すのには非常に多くの時間を要し、その作業にはストレスが伴う。配線を切り、パッドを持ち上げて、短絡を洗い出す通常の手法には、回路の信頼性に影響を及ぼす可能性があるため、ひいき目にみても疑問が残る。これらの問題は、ICが小型化/低電圧化するにつれて、さらに深刻なものになりつつある。4線式の高級DMM(デジタル・マルチメーター)や抵抗測定器は、微少抵抗を正確に測定することができるものの高価であるため、設計者が実験で気軽に使うわけにはいかない。

 そこで、4線式DMMや抵抗測定器の考え方を用いて、短絡箇所を発見する簡単な方法を紹介しよう。必要なのは実験室に普通にあるような部品とオームの法則についての基本的な知識だけである。この方法では、導体はすべて抵抗性を持ち、短絡回路ではある点と別の点の間に電圧降下が必ず発生するという現象を利用する。そして、各点の間でインピーダンスの最も低い場所を簡単に探し出し、短絡箇所を2点間に特定するというものだ。

 デジタルバスでは、その配線長全体で1Ω以上の抵抗があることが多く、配線パターンの抵抗が200mΩと低い場合でも、10mAの電流を流せば2mVの電圧降下を生ずる。実験室用のハンドヘルドDMMには分解能1mVを容易に得られるものが多い。必要なのは相対値なので、測定器の絶対精度はあまり問題にならない。とはいえ、再現性の良い結果を得るには、電流は一定でなければならない。また、電流源はテストする回路のグラウンドと絶縁しなければならない。

 1.5V電池と1.5kΩの抵抗を直列に接続すれば、この目的に適した電流源ができる。電池は絶縁分離が簡単で、電圧も比較的安定している。抵抗値は10mA程度の電流が流れるように選ぶ(電源ラインのように配線インピーダンスが低い場合や、DMMにミリボルト級の分解能がない場合には、電流を増やす)。

 なお、クランプダイオードのカソードを電池のマイナス端子に、アノードを抵抗の開放端に接続すれば、低電圧の論理回路を保護できる。この場合は、回路を使用しないときに電池が放電しないように、電源スイッチを付ける。

 測定点(ノード)は、ビア、パッド、あるいはテストポイントなど、回路にアクセスできる部分ならばどこでもよい(図1)。そして、電流が2つのノード間を流れるときは両ノード間に微小な電圧降下が発生し、電流がノード間を流れないときは電圧降下が生じないという電流経路の特性に注目するのである。

ts151208_DI01.jpg 図1:「電圧降下法」の原理 (クリックで拡大)
一定電流をあちこちのノードに流し、それによる電圧降下を比べて、プリント基板上で短絡していそうな場所を見つけることができる。
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