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LEDを光センサーとして使い、照明強度を計測Design Ideas 計測とテスト(3/3 ページ)

» 2016年02月19日 11時30分 公開
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 センサーとしてのLEDの効率は、逆バイアス時の内部電流源と内部容量に依存する。逆バイアス時の光電流を推定するために、センサー用LEDと並列に1MΩの抵抗を接続し、光源用LEDから一定強度の光を照射したときに抵抗両端に生じる電圧を計測した。

 続いて、抵抗の値を1MΩから500kΩ、100kΩと順次変更し、同じ計測を繰り返した。計測の結果、光電流は3種類の抵抗のいずれに対しても約25nAとなった。逆バイアス時の内部容量(実効接合容量)の値は、次の計算式により求められる。


 ここで、dVはマイクロコントローラの入力が論理値「1」と「0」のときの電圧差、dTはLEDの内部容量の放電が完了するまでの時間、IはLEDの光電流の計算値、Cは内部容量値である。計算の結果、今回使用したLEDの場合、容量値Cは25pF〜60pFとなった。この値は、脚注3、4の文献で報告されている値と同等である。

脚注3:Miyazaki, Eiichi, Shin Itami,and Tsutomu Araki, "Using a Light-Emitting Diode as a High Speed, Wavelength Selective Photodetector," Review of Scientific Instruments, Volume 69, No. 11, November 1998, p.3751,(脚注3の文献では電流源の特性しか報告されていない)
脚注4:"Optocoupler Input Drive Circuits," Application Note AN-3001, Fairchild Semiconductor, 2002.

Design Ideas〜回路設計アイデア集

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※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事の中から200本を厳選し、5つのカテゴリに分けて収録した。

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