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» 2016年05月10日 12時00分 UPDATE

Wired, Weird:アナログ技術の継承は難しい (1/4)

今回は、3相モーターのトルク制御をリニアに行うアナログ回路の修理の様子を報告したい。修理依頼主への配慮により、詳細は明かせないのだが、アナログエンジニアであれば、恐らく感銘を覚えるであろう素晴らしいアナログ回路だった。

[山平豊(ケイティーエス),EDN Japan]

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 今回は非常に珍しい機器の修理を報告する。それは糸巻きに使う3相モーターのトルクをリニアに制御する機器だ。

 糸巻きを行う際のトルク制御は、単純なようで、実は非常に繊細な制御が必要になる。糸を巻くときにトルクが強すぎると糸が切れてしまうし、弱すぎると糸が緩んでしまう。また糸は重ねて巻くが、巻く終端でトルクを小さくしてスムーズに巻く方向を切り替え、逆方向に重ねて巻く。巻く方向を切り替えた直後はモーターのトルクを強くして糸が緩まないように巻く。

 このように糸巻き器は巻く方向を切り替える直前にトルクを小さくし、切り替え後はトルクを強くする繊細な制御を行う必要があるのだ。

糸巻き機のモータートルクをアナログで制御

 修理を依頼された機器は3相モーターのトルク制御をリニアに行う機器で、アナログ制御回路の技術を駆使した素晴らしいコントローラだった。機器の不具合は「モーターが回らない」という内容だった。修理依頼された機器に内蔵された基板の写真を図1に示す。なお、ユーザー名や基板の型名が分からないように配慮している。

図1:3相モーターのトルク制御を行う機器の基板 (クリックで拡大)

 図1の左側の黒い丸型コネクターはAC200Vの電源と3相モーターのS相に接続されていた。また右側5Pの白いネクタには近接センサーが接続されていた。この基板がどのようにしてモーターのトルクを制御するかは、読者に伝わりにくいと思うのでモーターの代わりに白熱電球を負荷にして、糸巻き機のトルクを制御する動作を説明していこう。

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