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» 2016年06月28日 11時30分 公開

規制の厳格化と消費者の期待に応えるために:白物家電でのモーター駆動の新課題と対処技術 (3/3)

[Arthur Gonsky(ON Semiconductor),EDN Japan]
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よりスマートかつ高集積度のモータードライバーソリューションの実装

 今日の白物家電設計に要求されるスペースの制約と電力効率規定のため、エンジニアはIPM(インテリジェント・パワー・モジュール)による高集積度のモーター駆動ソリューションを採用しています。IPMとは、モーター駆動に必要な各種の構成部品を高密度パッケージに収容した、高集積ハイブリッドICモジュールです。

IPMが用いられる主な白物家電アプリケーション

 しかし、IPMにはいくつかの欠点があります。IPMはフレーム構造を持つ傾向があり、その中に受動部品を配置すると、配線やレイアウトに起因する問題が生じる可能性があります。部品が実装されても、ハンダ接合部に信頼性の問題が生じる場合が少なくありません。

 そうした中で、絶縁金属基板技術(IMST)を用いたIPMが注目されています。IMSTは、アルミニウム・プレート上に受動素子(抵抗、コンデンサーなど)、ディスクリート素子(ダイオード、トランジスタなど)、複雑なIC(ゲートドライバー、デジタル信号プロセッサなど)で構成される電子回路を形成する技術です。モーター駆動に必要なデバイスがすべて同じ基板に実装されるのです。

 IMSTは高い熱伝導性と動作の堅ろう性も備えています。そのため、従来よりも小さな形状のモジュールを使用できます。このアプローチにより、部品点数の削減やボード面積の縮小が可能です。構成部品は簡単に実装でき、必要な配線も短くて済みます。アルミニウム板と銅箔パターン間の絶縁樹脂で得られる分布容量のため、IMSTはスイッチングに起因する電磁干渉(EMI)ノイズの低減に非常に有効であることが実証されています。それによって、滑らかで静かなモーター動作を実現できます。

IMSTの基本的な特徴

 さらにIMSTは、絶縁および機械的な安定性を目的とするセラミック層がないため、非常に良好な接地性を提供します。トランスファーモールド成形により構成部品の結束が強化され、ハンダ接合部に加わるストレスが小さくなります。

 IPMに用いるパッケージとしては、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)に加えシングル・インライン・パッケージ(SIP)が採用されつつあります。SIPパッケージを用いたIPMはリード成形を行って水平または垂直に取り付けられるため実装の柔軟性を高めるからです。

エアコン向けインバーター回路図

 ICおよびサブシステムにおける技術革新(優れたパッケージングおよび実装技術の開発)の結果として、また設計手法の進歩によって、新世代の白物家電製品の市場投入が可能になります。これらは、電力効率の向上、コンパクト/軽量構造、静音動作に対する要求に適切に対応できるため、消費者の期待と環境ガイドラインの両方に最高の形で応えます。

【著:Arthur Gonsky/ON Semiconductor Solutions Engineering Manager】

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