特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2016年08月23日 11時30分 UPDATE

IoT時代の無線規格を知る【Z-Wave編】(3):ルーティングによるメッシュネットワーク (1/2)

ホームネットワーク向け無線規格として、海外を中心に普及が進む「Z-Wave」について解説していく本連載。今回は、ルーティングによるメッシュネットワークについて紹介する。

[小川誠(Z-Works),EDN Japan]

ルーティングによるメッシュネットワーク

 IoT(モノのインターネット)の実現に求められる技術の1つとして、海外を中心に普及が進むホームネットワーク向け無線規格「Z-Wave」が注目を集めている。本連載では、Z-Waveの国内動向に加えて、なぜ相互互換性を実現できるかをひもといていく。

 前回は、「HOME IDとNode IDの関係性」「IDの振り分け方」「MAC層」などを解説した。今回は、Z-Waveのルーティングによるメッシュネットワークについて紹介する。

メッシュネットワークを単純化したモデル (クリックで拡大)

 上記の図は、メッシュネットワークを単純化したモデルである。コントローラであるNode ID=1から、Node ID 2、3、4の端末が直接伝送可能。Node ID 5は、コントローラからは直接伝送不可能なエリアにある。Node ID 5の端末と伝送するために、間にあるNode ID 4の端末を中継する。この中継による伝送を、ルーティングと呼ぶ。

 Z-Waveのルーティングは、送信元ノードから受信先ノードにおいて、最大4回のホッピングが可能だ。ルーティングにより、メッシュネットワークを構築できる。これにより、家一軒、ビルのフロアを1つのHome IDでカバーすることが可能となっている。

 ルーティングは、中継器を介した伝送になるため、直接伝送よりも通信時間がかかる。送信元ノード(S)から受信先ノード(R)に直接伝送する場合、キャリアセンスを行い、100kビット/秒で76バイトのデータを、10ミリ秒以下で伝達する。その後、受信先からは正しく受信したというAckが返信される。計20ミリ秒が通信時間となる。

送信元ノード(S)と受信先ノード(R)の間に、4つのリピーターが入っている場合、通信区間は5つとなるため、5×2(Ack含む)×10ミリ秒=最大100ミリ秒の通信時間になる (クリックで拡大)

 ホッピングにより、SとRの間に、4つのリピーターが入っている場合、通信区間は5つとなるため、5×2(Ack含む)×10ミリ秒=最大100ミリ秒の通信時間となる。

ルーティングアルゴリズム

 ルーティングによる伝送を効率的に行うため、Z-Waveではさまざまなアルゴリズムを組み合わせており、多くの特許を有している。

メッシュネットワークの例 (クリックで拡大)

 上記の図で、NodeID 1であるZ-Waveコントローラは、メッシュネットワークの維持管理をする。各端末は、自分の伝達範囲である端末の情報を持つ(隣接ノード)。

 各端末の伝達可能な端末、隣接ノードの情報は、ネットワークへの追加のタイミングか、ネットワークメンテナンスの処理の中でコントローラに伝えられ、ネットワーク全体のマトリクスを作り出す。このマトリクスを「ルーティングテーブル」と呼ぶ。

 Node ID 1からNode ID 4へ伝送する場合、直接届かないため、中継が必要だ。ルーティングアルゴリズムとして、最短の経路を選択するようにしており、この場合(1)1→3→4もしくは、(2)1→2→4となる。実際にどちらを選択するかは、信号強度を確認するなど、少ないエネルギーで伝送するようになっている(詳細は未開示)。

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