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» 2016年11月22日 11時00分 UPDATE

Design Ideas ディスプレイとドライバ:PWM制御ICで高電圧からLEDを駆動する (1/2)

LED電流を一定に保ちたい場合、幅広い電圧範囲の直流電源でLEDを直接駆動することは難しい。通常は、電圧レギュレーター回路が必要だが、かなりの電力が消費されてしまう。LEDの駆動に特化した専用ICも多く存在するが、比較的低い電圧を昇圧してLEDを駆動するものがほとんどだ。今回はPWMコントローラーICで、高電圧入力から定電流を発生させてLEDを駆動する回路を紹介しよう。

[Christophe Basso(ON Semiconductor France SAS),EDN Japan]

PWMコントローラーICでLEDを駆動する回路

 LEDに供給する電流(LED電流)を一定に保ちたい場合、幅広い電圧範囲の直流電源でLEDを直接駆動することは難しい。例えば、30〜380Vといった電圧範囲である。通常は電圧レギュレーター回路が必要になる。ただし、電圧レギュレーターによってかなりの電力が消費されてしまう。また、LEDの駆動に特化した専用ICは数多く存在するものの、比較的低い電圧を昇圧してLEDを駆動するものがほとんどである。高い電源電圧でLEDを駆動する用途には向いていない。そこで、PWMコントローラーICで高電圧入力から定電流を発生させてLEDを駆動するアイデアを紹介しよう。パワーMOSFET(Q1)とコイル(L1)を直列に接続したものに、On Semiconductorの電流出力型PWMコントローラーIC「NCP1200A」(IC1)を組み合わせることで実現した(図1)。

 採用したPWMコントローラーICは、整流出力を備える高電圧源に直接接続できる。IC自身の電源電圧は入力した高電圧から生成するため、変圧器や外部電源を別に用意する必要はない。コイルとパワーMOSFETの間にLEDを挿入すれば、コストパフォーマンスの高いLED駆動回路として機能させられる。この回路の動作は次のようになる。まずR3にかかる電圧がVFB/3.3に達するまで、コイルとLEDに流れる電流を増加させる。R3の電圧がVFB/3.3に達すると、パワーMOSFETがオフする。この状態では、磁化電流がフリーホイールダイオード(D1)を介してコイルとLEDを巡回し続ける。

図1:高電圧からLEDを駆動できる回路 (クリックで拡大)
高電圧入力に対応したPWMコントローラーICを使って、LED駆動回路を構成した例。パワーMOSFETとコイルの間にLEDを挿入すれば、コストの低いLED駆動回路として機能させられる。

 LED電流をきれいに保つには、コイルのインダクタンス値を十分大きくしておく。コイルに流れる電流リップルの大きさを許容範囲に抑えるとともに、PWMコントローラーICのオン時間がLEDの応答可能な最短時間(400ナノ秒)以下にならないようにするためである。このほか、PWMコントローラーICに内蔵された立ち上がりエッジブランキング回路に対し、LEDのTRR(逆回復時間)に応じた遅延回路を外付けする必要がある。図1では、ICの3番ピンにR2とC1から成るフィルターを設けた。

 R1はフィードバック電圧(VFB)の設定用である。抵抗値はVFBが3.3Vより小さくなるように選択しておく。VFBが3.3V以上になるとVFB/3.3の値が1.0Vを超えてしまう。するとPWMコントローラーICに内蔵した短絡保護回路(ツェナー電圧が1.0Vのツェナーダイオード)が動作してしまうからである。図1ではフィードバック電圧が1.7VになるようにR1の値を選択した。このためLED電流のピーク値は1.7/3.3/4.7=110mAとなる。

 図1では、最大380Vと高い直流電圧入力(VIN)を想定している。定常状態におけるPWMコントローラーICのオン時間は、L1とVINの大きさによって決まる。一方でPWMコントローラーがオフしている間の電流の減少量は、L1に印加されるリセット電圧VFTOTALの大きさに依存する。ここでリセット電圧とは、直列接続したLEDの順方向電圧にフリーホイールダイオードの順方向電圧を加えたものである。図1では約12Vになる。当然のことながら、リセット電圧の値は使用するLEDの種類によって変化する。特に白色LEDの順方向電圧は1個当たり3V程度と大きいため、注意が必要だ。

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